回収されたペットボトルは新たなペットボトルになるほか、再生樹脂の5割が繊維製品、4割がシート製品になる。アウトドアブランドのパタゴニアが、この再生樹脂繊維を使ってフリースを作ったのはご存じのとおり。
以前は回収量が過剰で、再生が追いつかないという報道もなされたようだけど、最近では原油から新品のペットボトルを作るよりも、再生ボトルのほうがコストが低く抑えられる新技術も開発されているそうで、実際にはやはり再生品需要に回収供給が足りないようなのだ。
こうした状況を打破するため、東京都足立区が、ペットボトルの回収に協力した分だけ買い物に使えるポイントが貯まる制度を始めるそうなのだ。
その仕組みは、リサイクルに関するアンケートに答えるとICカードが発行され、区内のスーパー4店に設置された自動回収機に使用済みペットボトルを入れる際にカードを差し込むと、ポイントが加算されるというもの。ポイントは10本当たり4円だそうで、自動回収機を設置している4店のスーパーで利用できるそうなのだ。今年度は4店に限られているものの、来年度には30店舗に増やしていく予定という。
足立区は、これだけでなく生ゴミを肥料に変えるリサイクルにも応用していくそうで、生ゴミの場合はカードにポイントが加算されるほか、10回で有機野菜1袋が渡されるようなのだ。スーパーのレジ袋を使わない場合にも取り入れたいとしている。
同区は、この制度の導入で区内の回収率85%を目指しているそう(現在は70%)。リサイクル関係者の間では、ドイツなどで採用されているデポジット(預かり金)制度の導入が叫ばれてきたけど、商品代金にボトル料金が課されることなく買い物できるポイントが還元されるなら、消費者も受け入れやすそう。でも、回収店舗が30に拡大した場合の区の負担は年間で約900万円だそうで、もちろん税金から捻出される。この辺がちょっと議論を呼びそうなのだ。