ぼくがデザインバーコードを初めて見たのが、サントリーの「燃焼系アミノ式」と「健康系カテキン式」のボトル。人がバーコードの線をを引っ張ったり持ち上げたり、ぶら下がったりしているのだけど、見た瞬間に「え、こんなの機械が読み取れるの?」なんていらぬ心配をしてしまったのだ。なんでも、読み取り装置の性能が向上したためにデザインが可能になったとのこと。
このデザインバーコードを考案したのが、広告クリエイター集団「デザインバーコード社」代表の吉田稔さん。「2003年度新聞広告コンテスト」にバーコードに関連した作品を出品する際、バーコードのことを勉強するうちにアソビができる「バーコードの許容範囲」を知ったそうなのだ。デザインバーコードの初の商業的利用は、ぼくが感じたとおり、「燃焼系アミノ式」と「健康系カテキン式」だった。
同社の公式サイトではデザインバーコードのサンプルが閲覧できるのだけど、「家」や「ラーメン」、「サーフィン」、「ピザ」、「傘」などさまざまな種類があって本当に驚かされる。ぼくのお気に入りは、一番複雑で綺麗な構造の「地下鉄」なのだ。こうしたデザイン性の高いものも多数“実戦投入”されているようで、フジサンケイビジネスアイには、「コレクターが出現している」というカルビー広報室のコメントを掲載している。ラーメンの空き袋だろうとカップ酒のフタだろうと何でも集めちゃう日本人、今さら驚きはしないのだ。現段階で約80商品なので、これから収集するなら比較的簡単かも。
何気ないアソビゴコロによってつまらないものを面白く変える。これはクリエイターならではの才能なのだ。明日、コンビニで手に取った商品のパッケージ脇を見たら、あなたの心がくすっと癒されるデザインが施されているかもしれない。