こうしたなか、米ディズニーが米国内にあるディズニーランドなどのテーマパークのレストランで、肥満対策に乗り出したのだ。なんでも、園内で提供している食品に対して、砂糖の使用量を総カロリーの10%以下(菓子は25%以下)、脂肪は30%以下に制限するそうで、今月からフライドポテトと炭酸飲料を締め出し、代わりにニンジンや果汁100%ジュース、低脂肪乳を提供するというのだ。映画「スーパーサイズ・ミー」(モーガン・スパーロック監督)でも肥満の根本的な原因として示唆されていたフライドポテトだけど、代わりに提供されるニンジンがフライされたものなのか生なのかは不明。油で揚げたとしても、ニンジンならヘルシーなのかなあ。
驚いたことに、この基準は園内のレストランだけでなく、ミッキーマウスなどのキャラクターの使用許可を出した食品にも適用されるそうなのだ。契約業者は08年末までにこの基準を満たさないとライセンス許可を取り消される。あと2年もあるけど、一方的に言われた業者は大慌てだろう。まあ、この基準が絶対的に正しいとは言えないけれど、肥満を助長する食品が減るというのは歓迎すべきことなんじゃないかな。
ディズニーはこの基準を当面は米国内だけで導入するようだけど、今後は徐々に国外へと広げていく目論見なのだ。ディズニーのキャラクターを扱った商品は世界であふれているので、この基準を導入することによって、かなりの“肥満助長食”が淘汰されそうなのだ。
米国のタバコ会社やファストフードを相手にした裁判のように何でも“人のせい”にするのは好ましくないけど、きちんとその食品に対するリスクを明記したり場合によっては販売を自粛したりなど、食品業者による努力は、政府や自治体による啓発同様、消費者にとって不可欠なのだ。これからは、「売れるから出す」のではなく、消費者の健康までを考えた企業や店がもてはやされるようになってほしいなあ。と、ぎとぎとのラーメンを見るたびに考えてしまうのだ。