前立腺がんは、米国人男性がかかる最も多いがん。以前、Narinari.comでも昼夜交代勤務でこのがんにかかる確率が3.5倍になるというニュースを紹介したのだけれど、最近は食生活の欧米化や高齢化によって日本でも患者が増えているのだ。
今回、発見された成分は、ホップに含まれている「キサントフモール」というフラボノイド。ビールの黄色い色を作るものだそう。"発見”というものの、正確には前立腺がんへの効果の"特定”で、発見はなんと1913年だそう。分離に成功したのは90年代で、がん細胞の増殖抑制や抗酸化作用などの効果が期待されており、最近は発がん酵素を抑えたりや骨粗しょう症を予防する効果が分かったので、注目されていた物質なのだ。
今回、前立腺がんへの効果を特定したのは、米オレゴン州立大学のエミリー・ホー博士ら。「はっきりとした抗がん作用がある」(OCNニュースより)というから、相当なものなのだ。しかし、同博士の説明によると、恐ろしいほど大量に飲まなければ効果が得られないそうで、ビールを飲むことによる逆効果のほうが大きい可能性があるとしているのだ。
効果が得られる量は明記されていないものの、「恐ろしいほど大量」というからには、ビアガーデンで飲みすぎてもその量には達しないのかもしれない。そうなってくると、注目されるのがこの成分を凝縮したビールやサプリメントなどの登場。共同研究者のフレッド・スティーブンス博士(同大)によると、このキサントフモールを濃縮した錠剤の製造やホップ内の含有量を増やすことが可能だそうで、ドイツではすでに「健康ビール」としてキサントフモールが10倍多く含まれているビールを販売しているのだそう。
いくらがん予防効果があって大量に飲まなきゃ効果がないとはいえ、ホー博士が指摘しているとおり、アルコールによる悪影響のほうが勝るのは必至。やはり、ほどほどにしなければならないようなのだ。いくら飲んでも太らず、体に良くて美味しいビールができないかなあ。