男性用ガードルを発売したのは、大手下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン。紳士用下着ブランド「HOM(オム)」名義での販売で、その名も「ロングガードル」という。同社が「見た目の抵抗がなく、年齢を問わない着用が可能」としている通り、ひざ上まであるロングタイプでスパッツのようなスポーティーな外見。しかし、素材は女性用と同じ締め付け力の強い生地を使用しており、熱処理やギャザー寄せで立体的なヒップラインができるよう加工、下着のラインが出ないよう足口は段差が出にくい切りっぱなしのヘム仕様にするなど、本格的なモノなのだ。サイズはMとL、色は黒とレンガの2色で、股上の浅いヒップハンガータイプ(3780円)と通常のスタンダードタイプ(4095円)が販売されている。
「男性の装いに対する意識が高まるなか、男性の“ボディ・メイク”に対するニーズに応える商品」というトリンプのねらいが当たり、20代から中年の男性に大ブレイク。これを受けて同社は増産と夏用の新製品開発に着手するそうなのだ。また、この状況に触発された他社も、同様の商品や上半身を補正する下着を販売する予定だとか。
化粧同様、男性がガードルをはくなんて一昔前なら考えられなかったことだけど、「最近の男性は一段とファッションに敏感になっており、ボディラインを気にするようになってきた」という同社の主張とともに背景にあるのが、先日コ○助がお伝えした日本人男性の肥満率急増。6年前の24.3%から29.5%(昨年5月現在)と、実に4.2ポイントも上昇しているのだ。男性用ガードルの流行は、「おなかはぽっこりしているけど流行の細身のパンツがはきたい!」という男性がたくさんいることを裏付けているのだ。
しかし、ガードルで締め付けるのは一時的なこと。これからもかっこちょいい服を着ていきたい、“ちょいワルオヤジ”になりたいという人は、健康のためにも運動と適切な食事で体型を維持するほうが効果的なのだ。とはいえ、ぼくも面倒臭さと時間的な問題でなかなか実行できないのだけれど……。