荒川選手は真っ赤な衣装に身を包み、五輪の舞台で堂々と演技した。ショパンの「幻想即興曲」を力強く、そして美しく演技し、自己ベストの66.02点をたたき出した。首位に立ったコーエン選手(66.73点)と2位のスルツカヤ選手は66.73点、66.70点と0.03点差で均衡しているけど、荒川選手も1位と0.71点差と健闘。1992年のアルベールビル大会(銀メダル・伊藤みどり)以来、そして今大会日本勢初となるメダルがねらえる位置に付けたのだ。4位の村主選手は61.75点と少し差を付けられた。日本勢最初の14番目に登場した安藤選手は、グランプリファイナルでも踊った「戦場のメリークリスマス」を演技。3回転−3回転の着地の失敗と、後ろ向きのスパイラルでフェンスに近づき過ぎてバランスを崩したことが影響し、56.00点で8位となっている。
1位のコーエン選手をはじめ、キミー・マイズナー選手が5位、急遽出場を辞退したミッシェル・クワン選手の代役であるエミリー・ヒューズ選手が7位となったフィギュア王国である米国と同じく、日本代表も3人ともベスト10入りしたのだ。それにしても、荒川選手の演技は派手さはないものの完璧だったのだ。演技終了直後も得点を待つ「キス・アンド・クライ」でも、自信にみなぎった表情をしていたし。メディアへの過剰な露出による精神面への不安を払拭する、堂々とした態度だったのだ。そして、“女王”と言われながら五輪で金メダルを取ったことがないスルツカヤ選手の気迫の演技、コーエン選手のしなやかで美しい演技は圧巻。いやあ、今大会でカーリングにもすっかりはまってしまったけど、やはりこうした派手な競技も楽しいのだ。日本選手が上位にいるからかな(笑)。地元イタリア期待のカロリーナ・コストナー選手は転倒が響き、53.77点で11位だった。
上位10人は以下の通り(詳細はこちら)。
1位 サーシャ・コーエン(米国) 66.73点
2位 イリーナ・スルツカヤ(ロシア) 66.70点
3位 荒川静香(日本) 66.02点
4位 村主章枝(日本) 61.75点
5位 キミー・マイズナー(米国) 59.40点
6位 エレーネ・ゲデワニシビリ(グルジア) 57.90点
7位 エミリー・ヒューズ(米国) 57.08点
8位 安藤美姫(日本) 56.00点
9位 ジョアンヌ・ロシェット(カナダ) 55.85点
10位 サラ・マイヤー(スイス) 55.57点
フリーは、23日(日本時間24日)に行われるのだ。SPと同じ早朝なので、早起きして見なくては。