それもそのはず。朝日新聞によると、かつては歳末商戦の主役にして人気商品だった新巻きサケの生産が低迷しており、特に昨年末はここ10年で最低になる見込みだというなりよ。具体的には1997年には3万トンを超えていた生産量が2003年と2004年には2万3000トン、そして昨年は1万4000トン程度にまで落ちそうなのだとか。10年弱の間に生産量が半減してしまっているなりね。
生産が低迷する理由として考えられるのは、世の健康への関心が高まっているために「減塩志向」「甘塩志向」の動きが出ていること、切り身の海外への輸出が好調なことなどが挙げられるなりね。また、一匹丸ごとのサケを切り分けるだけの技量を持った人が減ってきていることも一因として考えられそう。基本的には頭を切り落として三枚に下ろすだけなりが、世の中が切り身中心になっていることもあって、魚を三枚に下ろせない人が増えているなりからね。新巻きサケを贈られても困る、と感じる人は少なくないのでは。
もともと新巻きサケは流通が発達していない頃の保存食。それゆえ塩気が厳しく、苦手だという人もいるなりが、ちゃんと塩抜きして食べればマリネにだって、フライにだって、ムニエルにだって、何にでも使うことができるなりよ。コ○助の家ではよく鍋にして食べていたなりね。鮭は家族そろって大好きだったので、毎年新巻きサケを祖父母から分けてもらっては、ずいぶんと食べたものなり。
伝統的な食材、しかもかつては隆盛を極めた食材が衰退していくのは寂しいなりが、時代の流れには逆らえないなりね。もうあと何年もしたら、新巻きサケを知らない世代が出てくる可能性もあるかと思うと、ちょっぴり切ないものなり。