さてワイト島の観光名地のひとつ「アマゾン・ワールド」動物園では、ジャッカス・ペンギンという珍しい動物が住んでいるそうです。この種のペンギンは南アフリカ原産で、英国内だけでも150匹ほどしか飼育されていないとか。
さてこのジャッカス・ペンギンの夫婦、オスカーとカイラに3ヶ月前に赤ちゃんペンギンが生まれました。まだ性別は判っていないものの、トーガと名付けられたこの幼子は両親から口移しでエサを与えられ、元気にすくすくと育っていたそうです。
ところが今月17日、このトーガが何者かに誘拐されてしまったのです。どうやら犯人は高さ6フィート(約180cm)の外壁と8フィート(約240?)の内壁をよじ登って侵入したとのことで、最初からペンギンを盗むことが目的だった様子。この夏日本でも大人気だった映画「皇帝ペンギン」の影響で、最近はペンギンが大人気。誰かがペットにしたいと考えたとしても不思議じゃありません。まぁ、それで本気に動物園まで盗みに侵入する人は少ないと思いますけど。
何はともあれ、犯人は一番小ぶりで可愛らしいトーガを手に逃げてしまったのです……。
さて動物園側は、とにかくトーガの容態が心配。なにせまだ親ペンギンの口からしかエサを受け付けず、人間が食事を与えようとしても絶対に食べることはないだろうとのこと。飲まず食わずでは最大5日ほどしか生き永らえず、すでにさらわれてから4日経っています。ううう(涙)。
そして木曜日のこと。状況はさらに悪化の道を辿ってしまいました。英メディアのBBCと動物園に匿名電話があり、その声の主がトーガをポーツマス港から海中に捨ててしまったと告白。英海軍と警察がトーガの目撃者探しなどをして必死にトーガ捜索を続けているそうですが、今のところ残念ながら無事な姿のトーガを発見出来ていません。
先に書いたように、トーガにはもう時間が足りないのです。どうかクリスマス前には無事に見付かって、お父さんお母さんの元に戻れますように……。