さてそんなウィキペディア。不幸にもテネシー州にお住まいのブライアン・チェイスさんにとっては、あまり認知度が高くなかったらしいです。そしてそれが悲劇を生んでしまったというお話。
チェイスさんの同僚には、同州出身でジャーナリズム界でも有名なジョン・シーゲンソーラー氏の友人がいたそうです。で、その同僚を驚かそうと、チェイスさんはとあるいたずらを思いつきました。そう、かのウィキペディアに掲載されたシーゲンソーラー氏の経歴に、コミュニストであることを匂わせる記述や、さらに元大統領ジョン・F・ケネディの暗殺にも関わった……といったことを書いてしまったのです。
これに驚いたのがシーゲンソーラー氏自身。削除依頼をウィキペディアに申請し、さらに全国紙 "USAToday" でインターネットの匿名性に関する懸念を綴った記事も掲載しました。
これをみて、事の重大さを知ったチェイスさん。投稿者は自分だと名乗り出て謝罪。さらに騒ぎを引き起こした責任を感じ、会社から退職もしてしまったとか。まぁ、悪気は無かったんでしょうが……。
しかしウィキペディアの「誰でも編集できる」という機能が招いてしまった今回の事件。今後は記事の信憑性や安全性を確立するために、同サイトでは投稿者の登録を義務付けるなどの対策を考えているそうです。