例えば、数年前に公開された妊娠中の牛のホルマリン漬け。その体を真っ二つに割って、その間を通る…という「作品」がありましたっけ。今考えてもワケのわからないシロモノですが、芸術的にどんな意味があるんでしょうか?知りたくもないですが(笑)。
とにかくテート美術館は保守的なイメージの芸術界において、革新的な美術館という位置付け。前衛アーティストにはありがたい存在と言えます。
さてそんなモダン芸術家の一人、ドイツ出身のガスタフ・メッツァー作のアートが先日テートにて公開されることに。なんでも題名が "Recreation Of First Public Demonstration Of Auto-Destructive Art"『自己破壊的な芸術の公共での初の実演…の再現』だそうで。…何のこと(笑)?
難しいタイトルのこの作品ですが、その芸術的コンセプトも万人には伝わりにくい、難しいものだったようで…。作品公開日の前夜に館内を清掃していたおじさんにも、やっぱり理解されず事件は起こりました。メッツアー氏の作品の近くを通りかかった時、おじさんったら作品の一部をゴミと間違えて捨ててしまったのです。
なんでも、その「作品の一部」と言うのがビニール袋に詰め込まれた新聞紙や段ボールの欠片だったそうで。そりゃ、ゴミと間違えられるわ(笑)。私だったら、おじさんをせめる気はさらさらありません。
その後、清掃員の勘違いに気付いた美術館側。すぐさまその廃棄された作品を取り戻しました。が、汚れなどが付着してしまい、新しいものと取り替えなければならなかったそう。ここで作家がゴネて「私の芸術作品は修復不可能だ!」とかのたまわったら私怒ります。良かったね、ビニール袋とか新聞紙で…。
ちなみに今回の事件、美術館によると損失の総費用は「判らない」とのことでした。