「ゲームが売れないのは少子化のせいでも、携帯電話のせいでも、不景気のせいでもない。作り手が手詰まりになっているから」
「ゲームは線形の進歩でなく、非線形の進化をしなければならない」
「性能向上は開発者にとっては喜ばしいし、腕の振るいどころがある。でも、その違いが広く遊び手に伝わらなくなっている。新しい発想も枯れ気味です」
「直接、山内溥(ひろし)前社長から、社長にすると言われた記憶はないんです」
「任天堂がネットに冷たいというのは誤解です。ネットがどの家庭にも普及して、敷居が低くなれば考える」
「(ファミコンミニのヒットは)確かに古いソフトが売り上げチャートの上位に並ぶのは複雑な思いですが、ゲームって面白い、と見直してもらいたかっただけなんです」
朝日新聞に掲載されたインタビュー記事はかなりのボリュームなので、今回ご紹介した内容はほんの一部にすぎないなりが、これまで事あるごとに任天堂の姿勢として繰り返されてきた「ゲームの本来の面白さに立ち返る」というスタンスについて語られているなりね。岩田氏はプログラマー出身なので、発想がより現場的なのが特徴。「こういう世界を作れるのでは」「こういう操作体系のほうが面白いのでは」ということが直感的に分かる人という意味では、山内前社長には無かったかたちの旗振りをしてくれる社長なのではないかと。
「Nintendo DS」や「レボリューション(仮称)」のライバルも強力なだけに、そうそう簡単にはゲーム市場を制覇することはできないと思うなりが、かつての強い任天堂の復権をかけて、ぜひとも良い製品を世に送り出して欲しいものなり。