この市場は、「政策分析市場」と呼ばれるホームページ上で、投資家が「ヨルダン王室転覆」や「アラファトPLO議長暗殺」などの事件が起きる可能性を予測して投資するというもの。起こりそうな事件を買い、起こりそうにない事件を売るという、先物取引の要素を含んでいた。大胆な計画を立てたものなのだ。
国防総省の言い分は「投資家の鋭い予測能力でテロなどの予想ができる」というものだけど、テロリストが事件を起こす直前にその事件を買っておけば大儲けができちゃうではないか。まあ、会員制にしたり、買った人間をマークしておけば犯人が割り出せるだろうし、テロリストもそんなバカな真似はしないか。
28日に「アラブの報道は偏向している」と批判したウォルフォウィッツ国防副長官は、「私は知らなかった」とウソ臭い言い訳をしていたけど、昨日も夏休み中にアルカイダによる旅客機テロの恐れがあるという情報が入ってきたし、絶えずテロの脅威にさらされている米国がこんな計画を立てたくなる気持ちもわからないでもない。でも、これは倫理的に間違ってる気がするのだ。まあ、計画が頓挫してよかったよかった。