FUJI ROCK FESTIVAL'06、3日目のレポート その2

2006/08/08(Tue) 15:10

7月28〜30日に行われたFUJI ROCK FESTIVAL'06の3日目の様子をお伝えしているレポート。前回は、ブロークン・ソーシャル・シーンのステージまでを追いましたが、移動の激しさから早くもヘトヘト。こんな調子でメイン会場が終わる午前0時近くまで持つのでしょうか。では、続きをお届けします。

ブロークン・ソーシャル・シーンのステージを観たあと、ところ天国で少し充電。本命の1つであるラカンターズのステージまで2時間ほど時間があったので、さらに腹ごしらえをしようと、グリーンステージ脇にあるオアシス・エリアへと向かいました。ジェイソン・ムラーズがグリーンステージに出演しているので軽く見ていこうかなとも思ったのですが、あまりの曲の良さにしばし立ち止まって聴き惚れてしまったのです。うーん、噂のシンガー・ソング・ライターの実力はすごい。ジャズ、カントリーなどを取り入れたバラエティーに富んだポップスだし、もっとキザな人かと思ったらすごくラフで自然体だし、好感度がアップしました。観てよかった!

オアシス・エリアで露店を物色していると、フジロック名物の「もち豚串」の行列が少ないのに気付きます。去年食べられなかったこともあって、好機とばかりに並んでビールとともに購入。おいしいことはおいしいのですが、ほかの店で売ってるものと大差ありませんでした……。どうやら、これがブランディングというヤツなんですね。そんなことまで感じさせるフジロックはすごいのです(笑)。

さてさて、いよいよラカンターズの出演まで30分と迫ってきたのでグリーンステージへ移動。ラカンターズはホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトが、盟友のブレンダン・ベンソンらとともに結成したバンド。この日はこのラカンターズとストロークスを観にきたようなものなのです(こちらもまたゆらゆら帝国や大江慎也と重なっていて、悔しかったのですが)。

そして、ジャックたちは期待以上のステージを魅せてくれました。雑誌でホワイト・ストライプスのライブを「セックスのような濃厚さ」と表現していたのを見たことがあるのですが、ラカンターズも負けず劣らず。でも、ホワイト・ストライプスのジャックの相棒、メグと違ってブレンダンは男。“禁断の愛”をステージで披露していたのです。それにしても、ジャックもブレンダンもかっちょよすぎでしたよ。「ステディ・アズ・シー・ゴーズ」を演奏したときなんて、「ヤベー、かっちょいい」と何度もつぶやいてしまったし。現代のロック界随一のカリスマ性を持つジャックとともにフロントマンを務められるのは、ブレンダンだけだと確信しました。

ラカンターズの終演後、次のストロークスまでの空き時間は2時間。本当はここに忌野清志郎が入ったんだよなあと思いつつ、空き時間をどう過ごすか考えます。そこそこ前にいるし、このまま最前列のエリアへ行くことも可能だったのですが、そうなるとギュウギュウ詰めのなか2時間も待つことになってしまいます。昨年のサマソニで痛い目に遭っているため、陣取り合戦には参加せず、結局ビールを飲んで待つことに決めました。一体今日、何杯目なんでしょう。

こんなに遠くてはあんまり見えないなあと思っていたら、そんな位置でも開演予定時間の10分前には人が殺到。おいおい、これじゃあゆっくり観られないよ、なんて思っていたのもつかの間、メンバーが登場した途端にモッシュ状態へ。「ぐへー、ここはモッシュピットじゃないよー」と泣きそうになったのですが、最初の「ジュースボックス」のリフが聞こえてきた瞬間に心臓がドキドキ、サビのシャウトでノリノリに。その後、ジュリアンが客席に乱入して大混乱。人垣の間から2メートルの位置でちらちらと見えたジュリアンは、本当に神々しいものがありました。「アスク・ミー・エニーシング」の独唱も良かった! マイクの調子が悪かったようですが。そして、超絶技巧曲「ヴィジョン・オブ・ディヴィジョン」を演奏するアルバートとニックのかっちょいいこと。よくあんな曲をライブでできるなあ、と感心せずにはいられませんでした。

ストロークスで精も根も尽き果てたNarinari.com取材班は、ビールを飲みながらぶらぶらと散策に出ることに。ホワイトステージからボードウォークを通ってオレンジコートへとたどり着く。すると、スカ・バンドのザ・スリルがライブをしていました。思わぬ遭遇に大興奮、疲れを忘れて踊りまくります。

オレンジコートからサイケデリックなフィールドオブヘブンへ。夜のフィールドオブヘブンは本当にキレイなんです。疲れた体をキャンドルアートの光が癒してくれます。お目当てのヘンプビールは売り切れていたのですが……。

ホワイトステージへと戻ると、すでにモグワイの演奏が始まっていました。幻想的な曲は、夜の苗場によく合います。こんな夜中に轟音が聴けるのもフジロックならではです。しかし、グリーンステージで行われているハッピー・マンデーズの馬鹿パーティを観るために、惜しみつつもホワイトステージをあとにします。

荘厳な雰囲気のモグワイから一転、ハッピー・マンデーズは予想通りショーン・ライダーがベロベロの泥酔状態でステージに上がっていました。歌ってる途中でわけのわからない言葉をしゃべりまくるし。しかし、そんなショーンの“馬鹿さ加減”に乗せられて、ステージからかなり遠いところでもみんな踊りまくっていました。まさにダンス天国。うーん、やっぱりハッピー・マンデーズはこうでなければ。最後も、アンコールが用意されていたにもかかわらず、あまりにも酔っぱらいすぎてステージに上がれず、ぐだぐだ状態で終了。本当にハッピー・マンデーズらしいステージでした。

ハッピー・マンデーズのライブが終了すると、ジョン・レノンの「パワー・トゥ・ザ・ピープル」がSEで流れ、MCがフジロック終演の挨拶。移動する人たちの多くがこの曲を口ずさみ、MCの話に応じて拍手をする。こういう雰囲気は好きです。みんな音楽とフジロックが好きなんだなあ。オアシス・エリアでもやし乗せ放題の「塩だれロコモコ」(おなかが空いていたから、やけにうまかった!)を食べてから、興奮冷めやらぬ会場をあとにしました。

越後湯沢で無料の足湯に浸かったあと、翌日に取材の仕事が入っていたため、すぐさま帰路に。そんな強行日程でしたが、今年もフジロックはすげえ楽しかったのです。出演者のみなさん、そしてスタッフのみなさん、本当にありがとう。そして、会場にいたみなさん、来年もあの場所で会いましょう!

おわり



 

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