2006年英米主要音楽賞開催! PART 3 NMEアワード
2006/02/20(Mon) 23:37
今年も2月がやってきます。2月といえばミュージック・アワード、いわゆる音楽賞のなかでも世界最大のグラミー賞と、英国で最も権威のあるブリット・アワードが開催される月。また、音楽業界のしがらみから解き放たれた英音楽誌NME主催のNMEアワードも開催されます。各賞ともノミネートが発表されたので、Narinari.comでも大特集! お気に入りのミュージシャンがどの賞のどの部門にノミネートされているかチェックしてみてください。 NMEアワード2006(ShockWaves NME Awards 2006) 2月23日(日本時間24日)、ロンドン・ハマースミス・アポロ グラミー賞、ブリット・アワードが終了したあとに開催されるNMEアワード。英国で最も歴史が古く権威のある音楽専門週刊誌「NME(ニュー・ミュージカル・エクスプレス)」が主催の音楽賞で、1953年開始と、“英国のグラミー賞”といわれているブリット・アワードより歴史は古く、当時はブラット・アワード(Brat Awards)という名称でした。2003年までは音楽やサッカーのスポンサーとして名高い英国のビール会社カーリングの冠が付いていました(NME Carling Awards)が、2004年からはShockWaveが筆頭スポンサーになっています。余談ですが、NME誌は米国のビルボード誌を参考に、英国で初めてシングル・チャートをスタートさせたことでも有名です。 この賞の面白いところは、ファンからの投票によって受賞者が決定することです。グラミーとブリッツが音楽業界の意向が多分に反映されているのに対し、こちらはリスナーの生の意見が大きく左右します。また、映画やテレビ番組、ウェブサイト、ヒーロー、ベスト・ドレッサーと多岐にわたっているのも特徴。今年はありませんが、過去にはベスト・ヘアカット部門なんていうのもありました。さらに、ワースト・アルバムやワースト・バンド、ワースト・ドレッサー、果てには年間悪人部門など、他の音楽賞ではあまり見られないワーストカテゴリーにも注目です。ロックを中心に扱っている雑誌だけあって、今年に限らずロックバンドのノミネートが多い傾向にあります。 さて、今年の注目は、NMEアワード新記録となる最多6部門(最優秀ウェブサイト部門を併せると7部門)にノミネートされたカイザー・チーフスです。ブリット・アワードでも最多5部門にノミネートされており、ブリッツでもNMEでもすべての部門を制覇すれば前人未踏の大記録になります。ブリッツでカイザー・チーフスと同じく最多5部門にノミネートされたジェームス・ブラントが年間悪人部門とワースト・アルバム部門にのみノミネートされているのと対照的です。そこへ、先日アルバム『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム・ザッツ・ホワット・アイム・ノット』で英国の発売1週目の売り上げ記録“ファステスト・セリング”で新記録を樹立した驚異の新人、アークティック・モンキーズやブロック・パーティー、フランツ・フェルディナンド、そしてグラミーでもブリッツでも不遇だったオアシスが立ちはだかります。 アークティック・モンキーズは、ブリッツでは最優秀新人部門のみのノミネートになりましたが、NMEアワードでは同誌が大プッシュしていることもあって4部門にノミネート。同じくブリッツでは2部門と“不当”な評価をされていたフランツ・フェルディナンドとオアシスが、ともに5部門(オアシスは最優秀ウェブサイト部門を含めると6部門)にノミネートされています。しかし、同賞のオアシス偏重も“不当”なのかもしれません。現にグラミーで3部門、ブリッツで4部門にノミネートされたコールドプレイが、ワースト・バンド部門のみなのですから(フロントマンのクリス・マーティンはワースト・ドレッサー部門にノミネート)。オアシス同様2賞で不遇だったベイビー・シャンブルズは4部門にノミネートされていますが、そのうち2部門はワーストカテゴリーです。 フロントマンで今やオアシスのリアム・ギャラガーを抑えて英国一のお騒がせ男になったピート・ドハーティは、年間ヒーロー部門と年間悪人部門、ベスト・ドレッサー部門とワースト・ドレッサー部門という2組の対極の部門にノミネートされています(セクシーな男性部門にも)。ぱっと見コミック・バンドのようなザ・ダークネスは、ワーストカテゴリーに総ノミネート。メンバー全員がアルフィーの高見沢俊彦のような格好をしているのが災いしているのでしょうか。全員坂崎幸之助よりはマシだと思うのですが……。 また、NMEアワードもグラミーとブリッツ同様、賞に合わせてライブを行うのですが、その規模が2賞とは違います。まず、アークティック・モンキーズやマキシモ・パーク、ウィー・アー・サイエンティストと新人部門にノミネートされている3組とミステリー・ジェッツが参加する「NME Awards Tour 2006」が17日まで13カ所で開催。また、ニューヨーク出身の今年期待の新人、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーやザ・デッド60s、ハード・ファイ(フロントマンのリチャード・アーチャーがセクシーな男性部門にノミネート)、ザ・ズートンズ、イアン・ブラウン(最優秀ソロ・アーティスト部門にノミネート)、マジック・ナンバーズ(最優秀新人部門にノミネート)、ザ・ストロークス(最優秀インターナショナル・バンド部門、最優秀ビデオ部門にノミネート)などのライブ「NME Awards Shows 2006」が、ハマースミス・アポロをはじめロンドンの各会場で行われています。詳しくはこちらを参照。 さらに、なぜか今回どこにもノミネートされていないジ・オーディナリー・ボーイズも、「Shows」への参加を表明しました。フロントマンのサム・プレストンが英放送局チャンネル4のリアリティー番組「Celebrity Big Brother」に出演して以来、英国の人気者となり、バンドのアルバム『ブラスバウンド』の売り上げが10倍、再発売したシングル「ボーイズ・ウィル・ビー・ボーイズ」がトップ5に入るなど大ブレイク。これがもう少し早かったら、たくさんの部門にノミネートされていたのは間違いないでしょう。そういえば、昨年デビューして評価が高かったザ・サブウェイズも、ベース&ボーカルのシャーロットがセクシーな女性部門にノミネートされているだけですね。ヒップホップのM.I.A.はノミネートなしです。 NMEでは現在、公式サイトで投票を受け付けています。簡単な登録が必要ですが、英国の音楽賞に参加するチャンス。「このバンドにこの賞を取らせたい!」という人はぜひ。 【NMEアワード2006ノミニー・リスト】 ●最優秀ブリティッシュ・バンド部門(Best British Band) アークティック・モンキーズ ブロック・パーティー フランツ・フェルディナンド カイザー・チーフス オアシス ●最優秀インターナショナル・バンド部門(Best International Band) アーケイド・ファイア フー・ファイターズ グリーン・デイ ザ・キラーズ ザ・ストロークス ●最優秀ソロ・アーティスト部門(Best Solo Artist) アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ リチャード・アシュクロフト イアン・ブラウン グレアム・コクソン カニエ・ウェスト ●最優秀新人バンド部門(Best New Band) アークティック・モンキーズ エディターズ マジック・ナンバーズ マキシモ・パーク ウィー・アー・サイエンティスツ ●最優秀ライブ・バンド部門(Best Live Band) アークティック・モンキーズ フランツ・フェルディナンド グリーン・デイ カイザー・チーフス オアシス ●最優秀アルバム部門(Best Album) 『ダウン・イン・アルビオン』 ベイビー・シャンブルズ 『サイレント・アラーム』 ブロック・パーティー 『ユー・クッド・ハヴ・イット・ソー・マッチ・ベター』 フランツ・フェルディナンド 『エンプロイメント』 カイザー・チーフス 『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』 オアシス ●最優秀トラック部門(Best Track) 「アイ・ベット・ユー・ルック・グッド・オン・ザ・ダンスフロア」 アークティック・モンキーズ 「ファック・フォーエヴァー」 ベイビー・シャンブルズ 「ドゥー・ユー・ウォント・トゥー」 フランツ・フェルディナンド 「アイ・プレディクト・ア・ライオット」 カイザー・チーフス 「ジ・インポータンス・オブ・ビーイング・アイドル」 オアシス ●最優秀ビデオ部門(Best Video) 「ドゥー・ユー・ウォント・トゥー」 フランツ・フェルディナンド 「デア」 ゴリラズ 「アイ・プレディクト・ア・ライオット」 カイザー・チーフス 「ジ・インポータンス・オブ・ビーイング・アイドル」 オアシス 「ジュースボックス」ザ・ストロークス ●最優秀ミュージックDVD部門(Best Music DVD) 「Dig!」 「ブレット・イン・ア・バイブル」 グリーン・デイ 「エンジョイメント」 カイザー・チーフス 「Live 8」 「フー・プット・ジ“M”イン・マンチェスター」 モリッシー ●最優秀イベント部門(Best Event) カーリング・ウィークエンド:リーディング・アンド・リーズ・フェスティバル グラストンベリー ライブ8 Tイン・ザ・パーク Vフェスティバル ●最優秀テレビ番組部門(Best TV Show) 「Gonzo」 「Little Britain」 「Lost」 「The Mighty Boosh」 「Peep Show」 ●最優秀ラジオパーソナリティー部門(Best Radio Show) Colin And Edith(BBCラジオ1) Steve Lemacq(BBCラジオ1) Zane Lowe(BBCラジオ1) Chris Moyles(ラジオ1) Lauren Laverne(Xfm) ●最優秀映画部門(Best Film) 「バットマン・ビギンズ」(クリストファー・ノーラン監督) 「チャーリーとチョコレート工場」(ティム・バートン監督) 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(マイク・ニューウェル監督) 「キング・コング」(ピーター・ジャクソン監督) 「シン・シティー」(ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー監督) ●最優秀ウェブサイト部門(Best Website) NME.COM(NME公式サイト) Kaiserchiefs.co.uk(カイザー・チーフス公式サイト) Myspace.com(コミュニティーサイト) Oasisnet.com(オアシス公式サイト) Wearescientists.com(ウィー・アー・サイエンティスト公式サイト) ●最優秀会場部門(Best Venue) カーリング・ブリクストン・アカデミー グラスゴー・バロウランド ロンドン・アストリア ロンドンKOKO マンチェスター・アポロ ●年間ヒーロー部門(Hero Of The Year) カール・バラー(ダーティ・プリティ・シングス)*元リバティーンズ ピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ) リアム・ギャラガー(オアシス) ボブ・ゲルドフ アレックス・ターナー(アークティック・モンキーズ) ●年間悪人部門(Villain Of The Year) トニー・ブレア(英首相) ジェームス・ブラント ジョージ・ブッシュ(米大統領) ピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ) ジャスティン・ホーキンス(ザ・ダークネス) ●ベスト・ドレッサー部門(Best Dressed) ピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ) ブランドン・フラワーズ(ザ・キラーズ) リアム・ギャラガー(オアシス) アレックス・カプラノス(フランツ・フェルディナンド) リッキー・ウィルソン(カイザー・チーフス) ●ワースト・ドレッサー部門(Worst Dressed) ピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ) ジャスティン・ホーキンス(ザ・ダークネス) クリス・マーティン(コールドプレイ) ジャック・ホワイト(ホワイト・ストライプス) ロビー・ウィリアムス ●ワースト・アルバム部門(Worst Album) 『ダウン・イン・アルビオン』 ベイビー・シャンブルズ 『バック・トゥ・ベッドラム』 ジェームス・ブラント 『ザ・ブレイヴリー』 ザ・ブレイヴリー 『ワン・ウェイ・ティケット・トゥ・ヘル...アンド・バック』 ザ・ダークネス 『ワンダーランド』 マクフライ ●ワースト・バンド部門(Worst Band) ベイビー・シャンブルズ コールドプレイ ザ・ダークネス マクフライ サン・オブ・ドーク ●セクシーな男性部門(Sexiest Man) リチャード・アーチャー(ハード・ファイ) カール・バーラー(ダーティ・プリティ・シングス) ピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ) リアム・ギャラガー(オアシス) ポール・スミス(マキシモ・パーク) ●セクシーな女性部門(Sexiest Woman) メアリー・シャーロット・クーパー(ザ・サブウェイズ) ケイト・ジャクソン マドンナ ジェミナ・パール(ビー・ユア・オウン・ペット) メグ・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス)
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