豆腐チーズケーキを作る

2004/03/08(Mon) 06:47

アメリカの「TOFU」

 アメリカのスーパーにてよく見かける豆腐ブランド「Nasoya」。「Silken(絹ごし)」、「Soft」、「Firm(硬め)」、「Extra Firm(かなり硬め……?)」と、種類もたくさんあるんです。さらには味付き(ガーリックオニオンとか)のものやカロリー控えめのものなども……。日本ではガーリックオニオン味の豆腐なんぞ見たことがないと思います。豆腐も「TOFU」として、アメリカで独自の発展を遂げているわけです。そんな「TOFU」はベジタリアンの大切なタンパク源として、さらに低炭水化物、低脂肪な栄養素という健康に優しい点が、最近のアメリカ人に受けまくっております。ビバ!豆腐。

 しかしこの「Nasoya」豆腐。絹ごし豆腐のパッケージがなぜかイチゴ・シェイクみたいな写真……。なぜ豆腐でシェイクなんでしょう。中身は普通の豆腐だしなぁ? つねづね疑問に思っていたので、今回この「Nasoya」のサイトを調べてみました。

 サイトにはレシピ集が載っていたのですが、これが結構驚きなんです。豆腐のサイトなのにデザートが満載(笑)。いろいろと検索してみたところ、パッケージの写真にあったシェイクだと思ったものはスムージーでした。フルーツ豆腐スムージー……。美味しいのかなぁ? とりあえず作り方は以下のとおり。

【材料】(4人分)
Nasoya シルク(絹ごし)豆腐 : 1/2パック
完熟バナナ : 1/2本
オレンジジュース : 1/2カップ
ハチミツ : 1/4カップ
イチゴ(新鮮なものか冷凍) : 3/4カップ
氷 : 1カップ

【作り方】
1.氷以外の材料をミキサーに入れ、回す。
2.よく混ざったら氷を投入し、さらに回す。

【注意点】
特になし。冷たいうちに召し上がれ。

 この「Nasoya」のサイトのレシピ集、なかなか侮れません。しばらくチェックしていると、大変興味をひかれるレシピを発見しました。それが「豆腐チーズケーキ」。気になったので、さっそく実際に作ってみることにしました。

「豆腐チーズケーキ」を作る

写真 説明
※写真が暗いのは、夜中にキッチンで作業をしたためです。物音をたてずに、豆腐チーズケーキを作る姿を想像していただくために、あえて補正しませんでした(笑)。 まずは材料。用意するものは以下のとおり。
【材料】
Nasoya ソフト豆腐 : 2ポンド
砂糖 : 1カップ
油 : 1/4カップ
ハチミツ : 1/4カップ
バニラエッセンス : 小さじ1
塩 : 少々
ケーキ用のクラスト : 1枚
指定されたとおり、「Nasoya」ブランドの豆腐を用意。
砂糖1カップ。

あえて油の種類を指定しないあたりがアバウトで良い感じです。さすがアメリカン。

じゃあ適当にキャノーラ・オイルで。

それからさらに甘くするためのハチミツ。それにしてもアメリカはなんでもデカい。
ケーキ用のクラストはグラハム・クラッカーを砕いてバターと混ぜ、型にしきつめて……と手作りしても良いのですが、こちらのスーパーにて出来合いのものが売っているのでそちらを代用しましょう。手軽だ(笑)。
休憩

あとはバニラエッセンスと塩を用意して。材料は揃いました!って、ちょっと待て、コレだけかいな。チーズは? ねえ、チーズケーキに必要なチーズは!?

たとえチーズケーキと公言していても、この材料じゃ錬金術と一緒で、出来上がったものがチーズケーキの味になるわけありません。

薄暗いキッチンで真夜中に打ちひしがれるワタクシ。でも、まあいいや(笑)。

もう引き返すわけにも行かないので、とりあえず作り始めましょう。

作り方はクラスト以外の材料をフード・プロセッサーでとろみが出るまで混ぜて、それをクラストに入れてオーブンに入れて焼くだけです。

あ、バニラ・エッセンス忘れたっ! もう、適当にたらたらと……。

プロセッサーのスイッチ、オン。ガガガガガ……。混ざった……。

見た目は確かにレア・チーズケーキみたいな感じです。でも、チーズは入っていないしなぁ。

じゃあ、とりあえず味見を。

……。

んー。まずい(笑)。

どんな味かといえば、そのまま「甘くてバニラ風味の豆腐です(涙)。これは煮ても焼いても食えないだろう、さすがに!!

こうなりゃ、奥の手。風味を加えるために助っ人を登場させるしかない!

クリームチーズと、レモンジュース。

クリームチーズはヘルシーに脂肪分ゼロのものを投入することにします。

休憩

再びガガガガガ……。

再度味見。んー、さっきよりかなり味は向上した感じですな。

あとはコレを焼くだけ(ちなみに「Nasoya」のレシピには、オーブンの温度が書いていなかったので適当に170度前後に設定)。

気合を入れて美味しくなれ!

40分後、完成。

かなりソレらしいケーキが出来た!

 実際レシピどおりに作ろうとしたんですが、途中で味見したらあまりにも泥沼だったため(実際腰が抜けて、その自分の影が窓に映ってて、それを見て思わず一人寂しく噴出したぐらいのインパクト……)、上記のとおり急遽オプション的に材料(クリームチーズとレモンの絞り汁)を追加してやっと完成しました。

「豆腐チーズケーキ」を食べる

 さて、これを今度は実際に食べてその感想を書かねばならないワケですよ。しかし、自分だけ食べるのではつまらないし、ウォール真木のダンナは「豆腐」と聞いただけで「俺がたんぱく質として受け入れるのは肉だけじゃぁ!」とワケ判らない拒絶反応を示すし……。娘たちの味覚に関しては、何でも食する子供たちなので客観的な意見を求める気にもなれず……。

 しかし、運良く翌日に日本人のお母さんとその子供達の集まりが予定されていまして。そこにこのケーキを持っていくことに。えぇえぇ、ネタのためなら友人も巻き込みます。そのくらい平気でしますよ、私は。以下、「豆腐チーズケーキ」への反応をまとめてみました。

写真 説明

友だちの一人は、ナリナリ読者でもあったりするので、強引に彼女にケーキを持たせてパチリ。

「モデルになりやがれ、とりゃー!」

しかしこの日。偶然とはいえ、この豆腐チーズケーキには手ごわい敵が存在しました。

「本物」のチーズケーキが……(しかも手作り♪)。

自ずとお母さんたちの手は胡散臭い豆腐ケーキよりも、右の本物ケーキに伸びています……。

しかし、ここで弱気になってはいけません。もう数人の目の前に勝手に私作のケーキを置いてゆく!

 

で、かなり強制的に食べさせたんですが。

「………。」
「………。」

なぜかみんな一口食べて一様に動きが止まりました(笑)。

でも、我が娘はペロリ……。さすがです。




私:「で、美味しいですか?」(ガンたれ気味)
友人:「……思ったよりくどくないです」
友人:「(口に入れた瞬間笑い、さらにむせる)ぶぶっ、ゲホゲホゲホ……!」
友人:「改良の余地ありですね。いっそのこと醤油でも入れれば……。」

 と、かなり面白いリアクション(?)の数々。それにしても、黒のカーディガンの友人にいたってはかなり味がお気に召さなかったらしく、その後もご意見とばかりに、やれ「ニンジンを入れてキャロットケーキなら」とか「いっそのこと揚げてみるとか」とかなりベクトルが違う方向に向いていました。でも「じゃあ、そのようにしたら食べますね?」と言うとかなり沈黙……。絶対食わすぞ、私は。

 総合の結果としましてはそう(一部を除いては)不評でもなく、かといって思いっきり美味しいものでもなく……。あえて言うなら「摩訶不思議な代物」という箱にしまわれてしまった今回の豆腐チーズケーキでございました。




 

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