名古屋グルメ探訪記 Part 1

2004/02/11(Wed) 00:20

プロローグ

 ある日のこと。読者の方から一通のメールをいただきました。

 「初めまして。私、名古屋在住のカウガール(24歳)といいます。コ○助さんやライターの皆さんは名古屋にいらしたことがありますか?名古屋って独特な文化圏でして、美味しいもの、変わった食べ物がたくさんあるんですよ。ぜひ、機会があったら名古屋に来てみてください」。

 近年、名古屋の「食」のイメージが変わりつつあります。「名古屋の食べ物は?」という問いに、あなたはなんと答えますか? 「ういろう」「きしめん」「コーチン」、ちょっとひねって「エビフライ」。長年名古屋の食べ物の代名詞的な存在だったこれらに代わり、新興勢力が現れてきているという話は、私たちNarinari.comのメンバーも小耳には挟んでいました。でも、実際に東京やアメリカに住んでいる私たちにとって、名古屋の食べ物を食べたいと思ってもすぐに食べられるわけでは無し。でも、知りたいんです。食べたいんです。そんなモヤモヤした気持ちを、見事に突いてくれたのが、カウガールさんからのメールでした。

 カウガールさんからのメールには、さまざまな名古屋の美味しいモノについて書かれていました。それは地元・名古屋に対する愛着をたっぷり含んだ、熱烈なメール。私たちはこの熱意に応えたい。何とかしてかたちにしたい。気が付いたときには、一路、名古屋へと向かっていたのです。

名古屋到着、一件目のお店は「スガキヤ」

 名古屋に到着した私たちが、まず最初に向かったのは個性的なラーメンを出すという「スガキヤ」。カウガールさん曰く「特別おいしいわけでもないんですが、週に一度は必ず食べたくなります」とのこと。「二郎」系なのかな? とも思いましたが、名古屋には「二郎」がないのでカウガールさんには比較のしようがないと思い、問い合わせはしませんでした。では、どんなお店なのかをレポートしていきます。

【スガキヤ http://www.sugakico.co.jp/ (スガキコシステムズ)】
●スガキヤとは
 名古屋でラーメンといえば。こう名古屋人に問えば、九分九厘帰ってくると言われているのが「スガキヤ」か「台湾ラーメン」。「台湾ラーメン」も気になるのですが、まず一発目は「スガキヤ」を探訪することにします。

 「スガキヤ」は愛知県を中心に、北は石川県、東は静岡県、西は兵庫県まで展開している中部地方の大手ラーメンチェーン。その数300店舗以上もあるそうです。東京に住んでいると全く出会うことが無い「スガキヤ」ですが、中部や関西地方では常識的な存在となっているんですね、きっと。カウガールさんによると、「スガキヤ」はこんなチェーンらしいです。

「名古屋を中心にチェーン展開しているラーメンショップ。姉妹店もできているほど有名。スーパーなどによく併設されていて、メニューの単価も安いため、家族で買い物に来たとき定番のお店。いつもどこかで見かけるような、ファーストフード店に似た感覚の店で、客層は小さいお子さんからお年寄りまで幅広い。」(カウガールさん談)

 なるほど、独立した店舗というよりは、スーパーの飲食コーナーのようなところにあるようなイメージですか。って、それだけ聞いたら美味しそうに思えないんですが……(笑)。

●スガキヤのラーメン
 ラーメンはどんな感じかというと、パッと見た感じはとんこつ風で、ややスープがドロッとしたイメージ。京都発の大手チェーン店「天下一品」ほどでは無いですが、そんな風に見えてしまいます。が。実際のところはというと。

「白湯スープで、とんこつなのか何なのか謎。ただ、とんこつほどしつこくもなく、クセもない。スープを口にすると鰹だしのような風味を感じる。魚介類でスープをとってることは間違いないと思う。具は、ネギ・メンマ・チャーシューの3点で、麺は細みのストレート麺。懐かしさもあって、一口食べたら止まらない。」(カウガールさん談)

 カウガールさんのメールを読んでいたので、心構えを持ってスガキヤのラーメンに挑みましたが、まさにカウガールさんが表現していたとおり。白濁としているのに、魚系の味わい。はっきりしたことは分かりませんが、動物系と魚介系のスープを合わせているように感じます。味は……結構普通?(笑)。まずいわけでもなく、格別に美味いわけでもない。いわゆる美味しいラーメン屋さんと呼ばれる店に行き過ぎて舌が肥えてしまったからかもしれませんが、平均的な味に感じました。でも270円ということを考えれば美味しい方だと思います。いや、コストパフォーマンスは抜群です。

●スガキヤの謎
 ところで、「スガキヤ」に行くと必ず出されるのが、このスプーンともフォークともつかない、謎の食器。なんでしょう、これは(笑)。

「スガキヤのラーメンにかかせないアイテム!この不思議な先割れスプーンは小さい頃から変わってなくて、ずっと謎だった。写真のスプーン右側に口をあてる仕様になっていて、先の部分のフォークのようなものは・・・謎。店員をとっ捕まえて問い詰めたくなるくらい謎。どうやって使うんだろう・・・。教えて欲しい。
 あと、絶対に右手でこのスプーンを持たなければスープをすすれない仕組みになっているのには理由があるのか?知りたい。スープを堪能してもらいたいから箸をとめる作戦なのか、それともこのスプーンだけで食べたりすすったりできるような作りになっているのか。とにかく謎だ。」(カウガールさん談)

 日常「スガキヤ」を利用している名古屋人が謎というのではお手上げです。カウガールさんは24歳。小さい頃からということは、恐らく20年近く変わらずに使われているのだと思うのですが、誰か謎を解明した人はいないのでしょうか。実際に使ってみましたが、先のフォークのような部分では麺がすくいにくいし、スープを飲むにはスプーンが小さいような気がするし……。この食器を使った「スガキヤ」の作法のようなものがあるなら、誰か教えてください。ほんとうに。それとこの食器、なんて呼べば良いのでしょうか……。

※後日、ほんとうにまたスガキヤのラーメンが食べたくなりました(笑)。これって「二郎」同様、化学調味料のせいかもしれませんが、熱烈なリピーターを生むというスガキヤのマジックに見事引っかかってしまったようです。

東京にも上陸していたスガキコシステムズ

 これは余談なんですが。「スガキヤ」を展開するスガキコシステムズという会社。数年前に東京でちょっとしたブームとなったお菓子の「シナボン」を展開していた会社でもあるのです。まさか「スガキヤ」と「シナボン」が繋がっていただなんて。かなりショックです。

 また、たまにドン・キホーテに行くと、「寿がきや」のロゴ入りでカップそばが叩き売りされていたりします。こちらは1個100円で販売されていました。しかも、このカップそば、生麺タイプなんですよ。生麺で100円は破格の安さですよね。味は普通のカップそばですが、「日清のどん兵衛」よりも美味しくいただきました。侮れません、「寿がきや」ブランド。叩き売りになっていたのは、東京での知名度があまりにも低すぎるからだと推測されます。なんとも惜しい話です。

スガキヤのアイドル「スーちゃん」

 スガキヤには、みんなのアイドル「スーちゃん」というキャラクターがいます。この上目使いで目をキラキラさせている(微妙な)キャラクターのことなのですが、名古屋にいくと誰もが認知しているキャラクターなのだそうです。皆さん、ご存知でした?

 「スーちゃん」には家族がいる設定があるらしく、名古屋テレビの「こですか」という番組のページに掲載されている「スガキヤ・スーちゃんの秘密を探る!」によると。

「ラーパパ、メンママ、スーちゃん、プーちゃん、ウーちゃんミャーちゃん・・・。 何かに気が付く、そう!名前をよく見ればラーメン、スープ、ウミャーとなるのだ」

な、なるほど……。やっぱり名古屋は「ウミャー」なんですね。

 スガキヤ、味は「並」でしたが、名古屋に根付いた文化だということはよくわかりました。名古屋グルメ探訪の一発目としては、ライトな感じで良かったと思います。さて、次はどこへ行こうかな、と。

(続く)



☆「スガキヤ」を理解するための関連サイト
老若男女みんなスガキヤ! 
寿がきや特集〜アピタe-ショップ〜
名古屋人の細胞 寿がきや(スガキヤ)

 

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