「声優に見た目や一芸は必要?」ベテラン声優が見解

2020/07/12 03:23 Written by Narinari.com編集部

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人気アニメ「AKIRA」の金田正太郎役などで知られる声優・岩田光央が、7月9日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)に出演。“声優のリアル”について話が進む中で、声優を取り巻く現状について見解を語った。

番組はこの日、子供のなりたい職業ランキング上位の常連で人気職業とされながらも、9割近くの人が食べていけないといわれる、狭き門の声優をピックアップ。空前の“声優ブーム”が巻き起こる一方で、声優を目指す若者たちに立ちはだかる現実とは……。「声優のリアル」について議論を展開した。

ベテラン声優の岩田は、「声優というのは、いわゆる職種で言うと“個人事業主”。そして、“技術職”でもあり、いわゆるスペシャリストだと思うんですね。どちらかと言うと職人に近いので、広い意味で技術に特化した人が活躍できる場。イメージ的に『なりやすそうだな』と勘違いされやすい場なのかと思います」と語る。

また、“声優のアイドル化”が進む中、「見た目や一芸は必要か?」という論点に話が及ぶと、岩田は「それも一つの大きな武器。クセや声質の特徴は持って生まれた天分。それは野球選手でもサッカー選手でも絵描きでもデザイナーでも、いわゆる技術職と言われる方はもともとセンスみたいものがあって。そこの上にある土俵にみなさんが集まってきて、その中でまたふるいにかけられながら勝負して残っていくものだと思います」とコメント。

さらに「でも例えば金属の“金”って価値がありますけど、日本刀は絶対に作れないじゃないですか? そういうところで、同じ金属でも相応しい場所やモノがあるんじゃないかと思っています」と話し、同じ声優の中でも様々なジャンルがあり、その中で自分に合ったジャンルを見つけることが重要であると主張した。

これを受け、アニメ声優が出演するネットラジオ局「音泉(おんせん)」の創業者で、声優業界に精通するやまけんさんも、「最近アイドル活動みたいなことをする声優さんがすごく増えてる」「歌を歌いたいって本来の声優さんの仕事ではない。武道館に立ちたいとか踊りたい、アイドルになりたいというのに声優さんが含まれてきちゃってる」とし、番組で取り上げた、年齢や容姿などの壁にぶち当たり声優を諦めたみちるさん(24歳)について、「夢を諦めたって言ってるけど、なろうと思っている“声優”という単語が実は違っていて。演ずる人ではないものをやろうとしていて、それには年齢制限があったという話。でも演ずることは何歳になったって出来ることなので、そこで食えるか食えないかはまたハードルが高いけど、『そこはまた別なんだよ』っていうね」と、岩田の意見に同調した。

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