ラグビーの五郎丸歩選手が、12月5日から全国で放映を開始する富士フイルム「フジカラーの写真年賀状」のCMに出演することがわかった。

毎年恒例のこのCM、今回は、新店長として起用された女優の広瀬すず（17歳）に加え、4年ぶりの登場となる樹木希林（72歳）と、五郎丸選手が出演する。樹木は1980年から続く名物キャラクター、フジカラーのお店の常連客の綾小路さゆり役。毎年、その年を代表する人物や動物、キャラクターと一緒に撮った写真で年賀状を作ると心に決めている彼女が、今年のターゲットに選んだのが五郎丸選手という設定だ。

ラグビー国際大会での活躍や、試合中の集中力を高めるルーティン“五郎丸ポーズ”が2015ユーキャン新語・流行語大賞トップテンに選ばれたことが記憶に新しい五郎丸選手と一緒に写真を撮ろうと、グラウンドに向かう樹木。世界にたったひとつの記念写真を、フジカラーのお店で高画質の写真年賀状に仕上げるというストーリーを通じて、「大事な写真こそ『フジカラーの写真年賀状』で。」とのメッセージを、コミカルかつ印象的に訴求している。

撮影現場では、五郎丸選手の登場をスタッフ一同が心待ちにしている中で、最もテンションが高かったのは樹木だった。盛大な拍手で迎えられた五郎丸選手が現れるやいなや、「わー、本物の五郎丸さんだ。おっきい〜」と惚れ惚れとした表情で接近し、「ちょっといいかしら？」とボディタッチ。そんな突然のボディタッチにも全く動じることなく、五郎丸選手は「大丈夫ですよ」とニッコリと微笑むという和やかな二人の出会いに、現場の空気もすっかり和んだようだ。

芝居をするにあたり、「監督は色々要求してくると思うけど、あまり悩まずに行きましょう」とアドバイスを送った樹木に促され、颯爽とカメラ前にスタンバイした五郎丸選手。樹木にルーティンポーズを伝授するシーンでは、最初にお手本を披露した後、「この指とこの指を軽くくっつけて」「足を肩幅に開いて」「腰を少し落とす」「目はしっかり前を見て集中する」などと熱心に声を掛けながら、手取り足取り丁寧に教えていた。「意外とお尻がポイントなんですね」という樹木の言葉に、「その通りです」と頷いた五郎丸選手。何とも贅沢な本人指導の甲斐あって、わずかな時間でポーズを習得した樹木が、次々と監督のOKを獲得すると、五郎丸選手もまるで自分のことのように喜んで、「バッチリです！」と笑顔を見せていた。

タックルのシーンでは、樹木に似せた顔に赤い着物を着せた吊り人形を使用。素材はぶつかった衝撃で体が折れ曲がるよう、マットビニールで作成し、10kgの砂袋を3つ仕込んで、着物の内側をタオルでぐるぐる巻きにした。五郎丸選手は樹木の人形に直接触って、タックルに行く箇所の硬さや助走の距離、動線を念入りに確認。本番開始と同時に、獲物を狙う肉食動物のごとく一瞬にして目つきが鋭くなり、思いきりタックルをすると、人形は「ガツーン！」という鈍い音を立てて崩れ落ちた。むくりと起き上がった直後、肩をぐるぐる回しながら、「もうちょい柔らかいと思ったけど、意外と硬かった」と感想を漏らした五郎丸選手。先の国際大会で敵チームを震え上がらせた世界のタックルの凄さに、スタッフはしばし言葉を忘れて呆然としていた。

フジカラーのお店のシーンでは、樹木、広瀬、五郎丸選手のスリーショットが実現。店長役の広瀬は、樹木とは映画で、五郎丸選手とはテレビ番組で共演歴があり、五郎丸選手と腕を組んだ樹木が「世間の反感を買うようなお芝居ね」と呟いて、さっそく広瀬の笑いを誘うなど、終始和気あいあいとした雰囲気で撮影が進んだ。休憩中は3人で仲良く談笑。五郎丸選手が1986年生まれ、広瀬が1998年生まれだと聞いた樹木が「あなた達が生まれる前から、私はこのCMに出ているのね」と、歴代CMの裏話を披露したり、ラグビーの試合の話やお互いの家族の話で盛り上がるなど、交流を深めていた。

今回のCMについて五郎丸選手は「僕自身、初めてのCM撮影でしたが、演技らしい演技はそれほどなかったので、普段通りできたような気がします」とコメント。そして樹木、広瀬との共演については「最初は非常に緊張しましたが、希林さんにリードしていただいて、楽しく撮影できました。広瀬さんはとても人気があって、僕とはまた違う層のファンがたくさんいらっしゃると思うので、今回のCMを通じて、少しでもラグビーに興味を持つ方が増えてくれたら嬉しいですね」と語った。

また、広瀬の“五郎丸ポーズ”については「広瀬さんはホント、何をしてもかわいいです（笑）」。そして年賀状送る際に使いたい写真を聞かれると、「実家のおばあちゃんに。希林さん、広瀬さんと一緒に映った写真を送ったら、みんな驚くでしょうね」とコメントした。