史上初の“消しゴム”イベント、2万3000個所有のコレクターが愛語る。

2015/07/01 18:43 Written by Narinari.com編集部

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「これだけ持っていても、消せる消しゴムは一つもない!」と言い切る、スーパー消しゴムコレクターまゆぷーさん。なんと、自宅には2万3000個もの消しゴムコレクションがあるそうです。テレビ番組「マツコの知らない世界」に出演し、その消しゴムコレクションと、消しゴムへの愛が話題になりました。

そんなまゆぷーさん、文房具ライターのきだてたくさん、消しゴムはかせの多古壁氏さん。消しゴムが大好きな3名で送る、史上初の消しゴムイベント「消しゴム見せまショー!〜世界のすべては消しゴムである。 消しゴムエンターテイメント!〜」が、先日、お台場・カルチャーカルチャーで開催されました。

◎消しゴムの歴史、“消しゴム界の神”とは?

そもそも消しゴムとは……? という座学からはじまる本イベント。

消しゴムのはじまりは、イギリス人科学者ジョセフ・プリーストリーさん(酸素を発見した有名な科学者)が、「ゴムで鉛筆の字をこすったら消えるぞ!」と発見したことだそう。18世紀に発見されて以来、改良を重ね現在のプラスチック消しゴムにまで至ります。さて、突然ですが、ここで問題です。“消しゴム界の神”といえば誰でしょう?

答えは……楠田枝里子さん!

楠田枝里子さんは知る人ぞ知る消しゴムコレクターであり、1998年には世界初の消しゴム本「消しゴム図鑑」(光琳出版)を出版。多くの消しゴムコレクターに影響を与えている、元祖消しゴムコレクターなのです。

まゆぷーさんもBOOK OFFで楠田枝里子さんの「消しゴム図鑑」に出会い。多大な影響を受けたそう。スーパー消しゴムコレクターのまゆぷーさんが、「何から何まで憧れの存在!」と言うのだから、真の“神”に違いありません。出会いがBOOK OFFだからと言って、全くもって関係ないです! ちなみに「消しゴム図鑑」は絶版のレア本。ぜひ、この「消しゴム見せマショー」をきっかけに復刊して欲しいものです。


◎消しゴムでギネス世界一の可能性も?

消しゴムコレクターは楠田枝里子さんだけではありません。ギネス記録によれば、ドイツのペトラ・エンドレスさんが持つ19,751個(重複なし)が、世界でもっとも多い消しゴムコレクションだそう。

ここで、あれ……? と思った方も多いのでは? そうなのです。まゆぷーさんのコレクションは2万3000個。現在のギネス記録よりも多いのです! これはギネス記録を塗り替える可能性が出てきましたね。早めにギネスへ申請を出したほうが良さそうです。続報に期待しています。

続いては、消しゴムコレクションルームの写真を公開。入り口には、まゆぷーさんが出演した「マツコの知らない世界」のフリップが飾られています。「消していい消しゴムは家にない!」「消しゴムは消すものじゃない!」と書かれた文字は、コレクションするだけで決して消さないまゆぷーさんのコレクター魂が現れた名言です。

秘密基地的コレクションルームは、正座でちょうどよい高さです。中には消しゴム、消しゴム、消しゴム……。コンテナにも大量の消しゴムが! おもしろ消しゴムを発売するメーカー、イワコーの商品だけが入った棚。紙パック消しゴムだけの棚。タイヤ消しゴム、工具消しゴムだけが入った棚。など種類別に綺麗にコレクションされています。

まゆぷーさんが消しゴムを集めるきっかけになった、消しゴムメーカーヒノデワシの香り付き消しゴムコレクションや、MONOグッズ、クオリティの高い源氏パイ消しゴム、ゲーム型消しゴムなどを紹介してくれました。有名消しゴム・MONOがデザインされたトレーは、物販コーナーのお金の受け渡しにも使われていました。




◎スーパー消しゴムコレクター・まゆぷーさんにお話を伺いました!

今回のイベントについてお話を聞いてみました。消しゴムに対する熱い思いを語って下さいましたよ。

――消しゴムだけのイベントは初めてですか?

まゆぷーさん「イベントは初めてです。今までだと、ブング・ジャム(きだてたくさん、多古壁氏さん、高畑正幸さんの文房具トークユニット)のトークイベントなんかで、ちらっとまじめ消しゴム(いわゆる一般的な四角い消しゴム)が紹介されたりしていたんですけど、それ以外でイベントはこれまでなかったです。実際、消しゴムだけ特集されることってあまりないんですよ。ボールペンや、ノートの特集はあるんですけどね」


――初の消しゴムイベントへの想いや意気込みはありますか?
まゆぷーさん「とにかく消しゴムを見てもらって、おもしろ消しゴムを知ってもらいたいです。最近、どこへいってもおもしろ消しゴムがないんですよ。なので、どんどんお店でも置いてもらいたいです。企業でも、昔はおもしろ消しゴムを作っていたんです。でも、当時、おもしろ消しゴムを作っていた人たちが、今では、まじめ消しゴムをメインで作るようになってきて寂しいですね」

――遊びのある消しゴムが少なくなってきているのですね。
まゆぷーさん「そうなんです。おもしろ消しゴムは学校に持って行ってはいけないなど、ニーズの問題もあるかもしれないんですけど。こういったイベントをきっかけに、せめて文房具会だけでも消しゴムの存在が浮上してくれるといいなと思います。文房具全体だと盛り上がりはあるんです。でも、消しゴムは文房具の一部でしかないので……。今日のイベントも、こんなにたくさん来て下さると思わなかったです。イベントをきっかけに、もっともっと消しゴムに興味持って下さるといいなと思います」


◎「まじめ消しゴム」って何? “カス”にも注目。

後半は消しゴムはかせ多古壁氏さんの『今店頭で買えるまじめな消しゴム多古的十傑衆+α」と題して、「まじめ消しゴム」についても語られました。「まじめ消しゴム」とは、字や絵を消すために使われるシンプルかつ機能的な消しゴムのこと。超定番トンボ鉛筆“モノ”、日本にプラスチック消しゴムを普及させたシード“レーダー、小学生に大人気ヒノデワシ“まとまるくん”など定番消しゴムを紹介。

消しゴムにはつきものの、消しカスの形にも言及されました。

・“まとまるくん”は消しカスがまとまるのでゴミを捨てやすいけれど、消しゴム自体がもちもちしているので細かい部分が消しにくい
・パイロット“フォームイレイザー”の消しカスは、本体から離れない糸状のうえで、サラサラして細かいところも消しやすい。

などなど、消しカスの細かな情報も発信。非常にマニアックです……。会場内には、まじめ消しゴム試し消しコーナーもあり、多くの方で賑わっておりました。

また、関東は“モノ”、関西は“レーダー”、静岡と九州の一部はホシヤ“キープ”など地域によって消しゴムの普及率がちがうという話もあり、なんだか奥の深いコーナーでした。


◎あんなものまで消しゴムに! 驚きの「珍消しゴム」コレクション

まゆぷーさんのコレクションが紹介されました。最近話題のペヤング、緑のたぬき、赤いつね、カップヌードル 超リアルなくるみ、100kcal分の体脂肪、セロハンテープ、時間割、超音波検査機(エコー)、赤ちゃん、点滴、目薬、銃、パズルなどなど……。



次から次に、なんでもアリの状態。イベント中には、きだてたくさんが「世界の全ては消しゴムでできている!」と仰っていましたが、まさに消しゴムで世界は作れると思います。そのうち、消しゴム映画、消しゴムハウス、消しゴムテーマパークなんてものまで出来てしまいそうです。

そしてイベントのラストには重大発表がありました。なんと、まゆぷーさん消しゴム本発売が決まったとのこと。消しゴムマニアには朗報ですね! スモール出版さんから年内に発売されます。楠田枝里子さんの「消しゴム大図鑑」に続く、世界で二番目の消しゴム本です。ギネスに、出版に、まゆぷーさんの消しゴム道はどんどん前進していきそうです。

消しゴム、消しゴム、消しゴムだらけのイベントは、想像以上に奥が深いものでした。もはや、消しゴムは消すものではなく、新しい世界を創りあげるものになっていました。消しゴムイベント第二弾も期待しております!


※この記事は、情報サイト「イベニア」編集部(文・写真 舟崎泉美)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。



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