鼻くそ食べると健康になる? 娘のクセを見た学者が研究スタート。

2013/05/12 14:52 Written by Narinari.com編集部

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もし周りに“鼻くそ”を口に入れる人がいたら、皆さんはどう思うだろうか。自分の子どもが口に入れているのを見かければ、多くの親は汚くて恥ずべき行動と注意するかもしれない。しかし、この行動に疑問を見出したカナダの大学准教授は、鼻くそを食べる人は「免疫機能が強化される」との仮説を立て、実験の準備を始めたそうで、研究の行方に注目が集まっている。

カナダ放送局CBCやCTVによると、この仮説を立てたのは、カナダ中部にあるサスカチュワン大学で生物化学を研究している、スコット・ナッパー准教授。実は“鼻くそ健康法”については、以前よりいくつかの国の研究者が研究・発表しているが、ナッパー准教授の場合は小さな「2人の美しい娘」のクセから、研究のヒントを見つけたという。「頻繁に鼻をほじっている」彼女らが決まってその指を口に運んでいるのを見た彼は、注意をするのではなく、その秘めたる可能性に興味を抱いた。

「人間は汚れた環境の中で進化をしてきた」と話すナッパー准教授。抗菌素材がやたら好まれる現代では、アレルギーなど免疫機能不全を起こす人の数も増加しており、清潔さを求める風潮が「実際には人間の利点になっていない」とも見ている。そんな現状を憂う彼が、生物化学の研究者として気になったのが“鼻くそを食べる”行為。若干の病原体を消費するという意味で体内の免疫機能改善に繋がるのではと、“自然の予防接種”的な行動として免疫機能への影響の可能性を考え始めた。

もっとも、研究を決意させる大きな要因になったのは“教師”である彼の熱意。「パッと見は単純な疑問でも、どのように科学的価値のある発見に繋がっていくのかを学生に教えたい」と話し、サスカチュワン大学で受け持つ200人のクラスで、難解な分子レベルの話ばかりで退屈そうな学生たちの興味を引こうと授業のテーマとして披露した。すると、「鼻くそはどうして甘い味がするのか」という話から始めると、多くの学生が興味を持つ様子が感じ取れたそうだ。

この研究テーマは、これまでに発表された衛生やアレルギーなどの関連論文などとも「適合するはず」と仮説に自信を見せるナッパー准教授。すでに面白がって「研究に参加したいとアプローチしてきた」人も少なからずいるそうで、現在は本格的な研究開始に向けて準備を進めている。

もし彼の仮説が本当なら、彼に研究のきっかけを与えた娘たちにはぜひ続けてもらいたいところだが、どうやらそれもあまり長くは続かないようだ。たとえ研究で実証したにしろ、「レディーに育てるよう躾けたい」(サスカチュワン大学公式サイトより)という妻は夫の仮説に否定的なため、いずれ娘たちの行動を改めさせるはずと、彼は笑いながら話しているという。

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