主人の墓に6年間寄り添う忠犬、“アルゼンチンのハチ公”が話題に。

2012/09/17 12:40 Written by Narinari.com編集部

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飼い主からたっぷりと愛情を注がれ育てられた犬が、人間の想像を超える“忠誠心”を示し、世間を驚かすケースは少なくない。アルゼンチンには2006年に亡くなった一家の主を慕い、これまでの6年間、毎日墓に寄り添って過ごしている犬がいる。家族の話によれば、この犬は葬式直後に家から姿を消すと、なぜか主人の墓を探し当て、そこから離れずに過ごし始めたそうだ。

アルゼンチン紙ラ・ボス・デル・インテリアなどによると、この犬は、コルドバ近郊の街ビジャ・カルロス・パスで暮らすダミアン・グスマンくん(13歳)が飼っているキャピタン。2005年、父ミゲルさんがダミアンくんへのプレゼントとして、ジャーマン・シェパードのキャピタンを購入して家に連れて来たという。キャピタンは一家に大切に育てられたようだが、残念ながらその幸せは長くは続かなかった。

キャピタンが家にやって来た翌年の2006年3月、突然ミゲルさんが倒れ急逝。しかも葬式の直後、家族の深い悲しみに追い討ちをかけるように、キャピタンまで家から姿を消してしまった。愛犬の失踪に、残された母子は懸命に周辺を探し回ったものの結局見つけられず、母ヴェロニカさんは「車に轢かれて死んだに違いない」と思うようにしたという。

ところがキャピタンがいなくなって迎えた最初の日曜日、2人は父が埋葬された墓地へ向かうと、そこには見慣れた愛犬の姿があった。すでに6年が経過した今となっても、ヴェロニカさんはこのときのことを「(キャピタンを)墓地に連れて来たことがなかったのに、どうして主人の墓が分かったのかはミステリー」と不思議に思っている。しかしキャピタンは、土の下に眠る主の状態が分かっていたようで、2人のもとに近寄ると「泣いているかのように」吠え続けたそうだ。

そして、墓参りを済ませた2人が家に戻ろうとすると後を追いかけ、一旦は一緒に家に戻ってきたキャピタンだったが、外が暗くなり始めると再び家を飛び出して墓へ。以来、彼は主の墓を離れずに生活するようになった。

墓地の関係者によると、昼間にときどき周辺を散歩することもあるそうだが、基本的には毎日6時には墓の上で横になり、一晩中主のそばで過ごすとのこと。以前に何度か家へ連れ戻そうと試みたというダミアンくんも、連れてきては父の墓へと戻っていくキャピタンの気持ちを理解し、尊重するようになった。

父を慕って6年間も寄り添い続けているキャピタンに、ダミアンくんは「彼は父の世話をしてくれているんだ」と感謝。現在は墓地の関係者も食事などの世話の面で協力してくれているそうで、自らの命が潰えるまで「(キャピタンは)居続けるんじゃないかな」とも話している。

なお、この話を伝える各国のメディアの大半は、忠犬ハチ公の逸話も併せて紹介しており、“アルゼンチンの忠犬ハチ公”として、多くの人に感動を与えているようだ。

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