米コロラド州の遊園地が先日、新たに“世界一”を売り物にするジェットコースターの営業を開始した。このコースター、コースそのものは以前別の遊園地で使用されていたものを引き取った、ごく一般的なものなのだが、設置されている場所が標高約2,200メートルの崖上という“世界一高い場所”なのがポイントだ。

米放送局ABC系列KMGH-TVや米放送局CBS系列KCNC-TVによると、このコースターはコロラド州の遊園地「グレンウッド・キャバーンズ・アドベンチャーパーク」に建てられた「クリフハンガー」。コースター自体は、閉園したミズーリ州の遊園地から買い取って組み直したもので、コースの最高到達点は「50フィート（約15メートル）」と、それほどインパクトがあるものではない。しかし、この遊園地では立地条件を活かして“世界一”のものに仕立て、新たな名物として売り出している。

山の中に広がる敷地で営業している遊園地が、今回「クリフハンガー」のために用意した場所は、標高7,160フィート（約2,180メートル）の山腹にある崖上。“世界一高い場所”という話題性だけでなく、谷を見下ろす切り立った場所に建設することで、ほかでは味わえないスリルを引き出しているわけだ。最高点からは「グレンウッド・スプリングス地域を一望できる」（米放送局ABC系列KJCTより）ほか、コロラド川が「1,500フィート下（約450メートル）」に見えるなど、その眺望の素晴らしさは格別だろう。

ただ、“世界一高い場所”に建設するのは相当な苦労もあったそう。現場近くまでは「未舗装の道路が1本だけ」通っているのみで、部品の運搬に時間を要したほか、5年間使った中古のコースターを活用するための修理や補強も必要で、営業開始までに「100万ドル（約7,900万円）」を投じている。そして6月15日に、晴れてオープンの日を迎えた。

営業開始前日にはメディア関係者なども集めて試乗会も実施。スティーブ・べックリー園長は「（オープンを）待ちわびるだけの価値があるコースターができた」と宣伝し、人気アトラクション化への期待を示している。