IT長者がマック店員不採用に、12億円の財を築いた男に立ちはだかった壁。

2010/09/17 11:58 Written by Narinari.com編集部

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27歳という若さながら、努力を重ねて社会的成功を収めている人物がオーストラリアにいる。2006年に安売り家電のオンラインショップを設立し、オーストラリアのオンライン小売業界トップ10に入る規模にまで急成長させた「Kogan Technologies」創設者のルスラン・コーガンさんだ。すでに有数の資産家としても知られる存在になったコーガンさんだが、先日、「ビジネスを学びたい」とマクドナルドの店員採用に応募。ところが、不採用の知らせを電子メールで受け取ったそうで、本人はショックを受けたという。

コーガンさんは大学を卒業後、一旦就職するもすぐに退職して「Kogan Technologies」を設立。安売り家電オンラインショップとして認知され、会社は急成長を遂げている。コーガンさん自身も、2009年度で1,500万オーストラリアドル(約12億円)の資産を持つとされ、豪経済誌BRWが作成した「『若手長者リスト』に名を連ねた」(豪ニュースサイトnews.com.auより)ほどだ。

ヴァージン・ギャラクティック社が運営する世界初の商業宇宙船にも、「オーストラリア人初の乗客の1人」(豪放送局ABCより)となることを希望するなど、いろいろな方面で注目されるコーガンさん。そんな彼が考えた新たなプランが、「地元エルスタンウィックのマクドナルドで働く」というものだった。

彼は、決して今の仕事を辞めてマクドナルドの店員に転身しようとしたわけではない。「Kogan Technologies」とは規模が異なる巨大な企業の中でビジネスが動く過程を知りたいと、「世界で最も尊敬する組織の1つ」というマクドナルドに飛び込み、それを学ぼうとしたのだ。

しかし、電子メールで送られてきたのは不採用の通知。これには、コーガンさんも「少し悲しかった」とショックを隠さない。もしかしたら、マクドナルド側が知られた存在のコーガンさんだと把握し、何らかの意図で断ったのではないか―――とも考えられそうだが、この見方について彼自身は「それはなさそう」と見ている。では、なぜコーガンさんはマクドナルドの店員として採用されなかったのか。news.com.auはマクドナルドオーストラリアに直撃している。

その答えは、コーガンさんが希望した店舗が「すでに充分な従業員を確保しているから」という単純なもの。自らの力で12億円の財を築いた男も、人員の壁は乗り越えられなかったようだ。スタッフとしてマクドナルドの内からビジネスを学ぶことには失敗したコーガンさんだが、最近は深夜にそのマクドナルドに赴き、客として従業員の動きを観察しているという。果たしてその成果は経営に活かされるのか、「Kogan Technologies」の今後の発展に期待したい。

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