優雅な世界旅行が一転、走行中に車炎上ですべての荷物とお金が灰に。

2010/07/28 18:59 Written by Narinari.com編集部

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旅好きなら誰もが一度は夢見るであろう世界一周旅行。陸海空と移動に使う手段はいろいろとあるが、いずれにしても時間とお金が相当必要で、実際に旅に出るのはハードルが高い。その分だけ踏み切れたときには格別な思いがあるのは想像に難くないが、ある30代のニュージーランド人のカップルも、5年間の予定でキャンピングカーを使い世界一周旅行に出発し、3年前から順調に旅を続けていた。しかし先日、ドイツのアウトバーンを走行中にエンジンから出火し車が全焼。全財産をはたいた優雅な旅行が一転、2人は無一文になってしまったという。

旅の途中で不運に見舞われてしまったのは、ニュージーランドで航空整備士をしている30歳のジョナサン・バーディスさんと、31歳の妻ステファニーさん。ドイツ紙Abendzeitungによると、2人は5年間の計画で、3年前にキャンピングカーに乗って世界一周旅行に出発した。これまでにアジア諸国やロシアを訪れ、今度は欧州に入ってドイツ国内を巡っていたようだ。

そして迎えた7月中旬のある日、2人を悲劇が襲った。ドイツ中部の街シュヴァインフルト近郊のアウトバーンA71を走行中に突然車のエンジンが火を噴き、ジョナサンさんは慌てて路肩に停車。命からがら車外へ逃げ出したものの、アッという間に車は炎に包まれてしまった。キャンピングカーに積まれていた旅行に必要な全ての荷物は、突然の事態に避難させる余裕がなかったという。

さらに運が悪いことに、お金やクレジットカードが入った財布も車内に置いていたそうで、2人の財産は完全に灰と化し無一文に。また、行く先々で撮りためていた写真のデータも燃え、3年間の思い出も姿を消した。ステファニーさんは「ほかのすべては代えが利いても、写真はそうならないのが一番悲しい」と、その無念さを語っている。

とにもかくにも、異国の地でお金もないまま放り出され、途方に暮れた2人。しかし駆けつけたドイツの警察官は、2人の事情を知ると手厚く世話をしたという。まずは「シャツを着ていなかった」ジョナサンさんに服を提供。そして朝食付きのホテルも用意して2人を宿泊させた。これらの費用はすべて警察官が負担。温かく対応してくれた2人の警察官に、ジョナサンさんは「援助を本当に感謝したい」と感激しきりだ。

残念ながら、途中で強制終了となったバーディス夫妻の世界一周旅行。せっかくジョナサンさんに航空整備士の技術がありながら、車の整備に目が行き届かなかったことは、後悔先に立たずといったところか。それでも物事をポジティブに考えるあたりは、彼の良いところなのかもしれない。事故を振り返ったジョナサンさんは「きっと、今戻らなくてはいけない理由があるんだ。まだ、それが何かは分からないけどね」(クロアチアン・タイムズより)と、コメントしたという。

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