まるで街中を歩いているかのように、景色をパソコン上で楽しめるGoogleストリートビュー。サービス開始から3年、米国や日本以外にも多くの都市の街中を見られるようになり、なおその範囲は広がっている。一方で撮影された写真に意図せずして写り込んだ人などに対する、プライバシーの問題も世界中で発生。英国では先日、まさにこのせいで恥ずかしい思いをした高校生カップルがいる。ストリートビューを通じて全世界に公開されてしまったのは、芝生の上で2人がファーストキスをしているシーン。英メディアで大きく報道されてしまったことで、“密会現場”が周囲にもバレてしまったそうだ。

この2人の写真を最初に伝えたのは、6月8日付の英紙サン。新たな家を探すためにストリートビューを利用していた男性が、ウォルバーハンプトン近郊の村の様子を眺めていたときに発見したという。そこには、家の外の芝生の上で男性が女性に覆いかぶさり、顔を近付けているシーンがバッチリと写っていた。

そして、このニュースはほかの英メディアでも扱われて広く知られるようになり、ついには当人たちの耳にも入ることに。思わぬ形でキスシーンを公開されたのは、16歳のエディー・ベイトマンくんと、17歳のヘイリー・モスさんの高校生カップルだった。2人の説明によると、撮影されてしまったのは今年3月、寒い日の午後だったという。当時、モスさんはその後の進路に大きく影響するテストGCSEを控え大事な時期。猛勉強をしていた彼女だが、この日はベイトマンくんと会う約束をしていた。

時期が時期だけに、家族にはバレないようにこっそりと家を抜け出したモスさん。家から少し離れた場所に移動し、2人は密会を楽しむことにした。苦労の末にやっとお互いの顔を見つめ合わせ、周囲に誰もいないと確信した2人はその場でファーストキス。「その日のことは覚えているわ。私たちが会ったことは誰にも言ってなかったし、知られたくもなかった」とモスさんが話す甘いひと時は、思わぬ形で周囲どころか、全世界に知られることとなった。

「私たちのファーストキスが、まさか新聞に載るなんて」と、モスさんは報道にビックリ。周囲の友人たちにもキスをしているのは間違いなく2人だと指摘され、当初は頑なに否定していたモスさんも、最後は諦めて認めたそうだ。密会のはずが公開キスになってしまった状況を、モスさんは言われる前に母親へ正直に告白すると、さすがにショックを隠しきれなかったとも。一方のベイトマンくんのほうは、新聞を見た父親が「おれの息子だ」と気付いてしまったらしい。彼は「信じられない」と、未だに写ったのが自分たちだという現実を受け止めきれていない様子だ。