1日100通の携帯メールが原因、手首の神経圧迫に苦しむ米国の女子高生。

2010/03/24 06:44 Written by Narinari.com編集部

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どこにいても友だちと連絡が取れる携帯メールは、今の時代には欠かすことのできないコミュニケーションツール。特に友だち付き合いが重要な年頃の学生の中には、片時も携帯電話を手放せないという人も多いだろう。米国に住む16歳のある女子高生も携帯電話を常に手元に置き、毎日100通のテキストメッセージを送る生活を続けていた。しかし、それがもとで手首の神経が圧迫される症状に襲われ、麻痺や痛みで物が持てなくなるなど、日常生活にも支障をきたしているそうだ。

米紙シカゴ・デイリーヘラルドによると、この少女はイリノイ州マンデレインに住む16歳のアニー・レヴィッツさん。以前のレヴィッツさんの日常生活は、携帯電話の使用が禁止されている高校の授業が午後3時25分に終わると、だいたい夜11時までテキストメッセージを打ちっ放しだったそう。その件数は1日におよそ100通で、月に3,500から4,000通のメッセージを作っては送っていた。手を休めるのは夕食のときだけ、それ以外はほぼ携帯電話に顔を向けている生活だったという。

そんな生活を続けていたある日、レヴィッツさんは手首に違和感を覚える。当初「ちくちくする痛みと麻痺した感覚」(米放送局ABCより)だったというレヴィッツさんの手は、次第に日常生活の中で支障をきたし始め、しばらくすると物を掴むことができなくなってしまった。家の食器をいくつも壊すようになり、レヴィッツさんと両親はさすがに異常な状態だと判断。昨年9月に病院で診察してもらうことにした。

その結果、医師が下した診断は手根管(しゅこんかん)症候群。手首には骨などによって形成された「手根管」と呼ばれるトンネル状の部分があるが、そこを通る正中神経が何らかの理由で圧迫され、感覚の異常や筋力の低下を引き起こすというものだ。さまざまな理由によって起きる症状だが、キーボード操作などの「手首を使った反復運動」も、しばしば見られる要因の1つ。彼女の場合は、毎日の携帯電話の操作が原因なのは明らかだった。

現在も症状を抱えているレヴィッツさんは、夜(ときどき日中)は両手首への補助具装着を医師から命じられ、「注射での鎮痛剤投与」(英紙デイリー・メールより)も受けている。症状の改善には手術の必要があるようだが、16歳の女の子にはやはり「それは怖い」(シカゴ・デイリーヘラルド紙より)。それでも、彼女はテキストメッセージをやめられず、心配した両親が一時携帯電話を取り上げたものの、取り返すとすぐにテキストメッセージを再開した。

ただ、携帯電話のキーを押すことが手首への負担になっていることは理解しているため、いま使っている端末をタッチスクリーンの「iPhone」に変えることを検討しているほか、「中には必要のないやり取りがあったことも分かった」(デイリー・メール紙より)と、テキストメッセージの件数を今は半分以下にセーブしているそうだ。そして、自分と同年代の人たちに「あなたに起こらないとも限らない」(シカゴ・デイリーヘラルド紙より)と、過度に依存しないよう警鐘を鳴らしている。

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