260万円でメッセンジャーID購入も、「ルール違反」で2か月後に使用禁止。

2009/09/17 21:06 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


中国にはWindows Live(MSN)メッセンジャーやスカイプ以上に利用されている、「QQ」と呼ばれるインスタントメッセンジャーがあることをご存知だろうか。「QQ」は、メッセンジャー機能以外にもSNSやゲーム、音楽、ビデオ、写真アルバム、アバターなど、さまざまな機能を有しており、若者から中高年まで利用されている“中国で最も有名なネットサービス”のひとつだ。個人が複数のIDを所有している場合もあるため、正確な数字は把握できていないが、「QQ」を運営する騰迅QQが2009年に公表したデータによると、登録ID数はすでに8億以上。中国の総人口14億人と比較すれば、どれほどの規模か分かりやすい。

そんな爆発的な人気を誇る「QQ」だが、つい先日、「QQ」のID番号を20万元(約260万円)で購入したある男性が話題を呼んでいる。「QQ」のIDは単純な数字の組み合わせとなっているが、日本人以上にラッキーナンバーにこだわる中国人からしてみれば、縁起の良い数字のID番号は「ノドの奥から手が出るほど」欲しいもの。「縁起の良い数字には縁起の良い人が集まる」ということで、熾烈な獲得争いが生じるのだ。

今回、20万元という大金を出して「QQ」のID番号を購入したのは、湖南省に住む周波さん。購入したID番号は「99999」だ。中国で数字の「9」は“長い”という意味を持つ“久”と発音が同じことから、“長生きする”“永遠”などとして縁起が良い数字と考えられている。周さんは「9」と「8」という数字が大好きなため(中国では一般的にこの2つの数字が人気)、「QQ」のID番号以外にも、車のナンバー、ケータイの電話番号もすべて「9」絡みの数字なのだという。

周さんが「99999」というID番号に目を付けたのは3年前。友人を通じて王芳(仮名)さんという人物がID番号「99999」を使用していることを突き止め、あらゆる手段を駆使して、今年5月にやっと王さんの電話番号を入手した。そして、すぐさま王さんに連絡。王さんは当初、38万元(約500万円)という破格の数字を提示してきたが、粘り強い交渉の末、最終的には20万元に落ち着いたそうだ。

しかし、これで一件落着かと思いきや、ID番号の売買成立から2か月すると、周さんに思いがけない事態が起きる。せっかく購入したID番号が、運営会社の騰迅QQによって凍結されてしまったのだ。騰迅QQはユーザー同士のID売買を禁じている。そのため、このID売買の話題が広州の新聞で報じられると、「ルール違反」だとして、騰迅QQが素早く動いたのだ。周さんは騰迅QQに連絡を取ったものの、担当者は「無理」の一点張り。幸い、ID番号を譲ってくれた王さんは周さんに陳謝し、お金を返却してきたが、多くの労力を要してやっと入手した「99999」を諦めきれない周さんは、現在、騰迅QQに対して法的措置を検討しているそうだ。

ちなみに、この「QQ」のID番号「99999」だが、元の所有者である王さんは、どうやら騰迅QQの幹部と親しい間柄らしく、特別にプレゼントされたものだという。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.