オレンジジュースは健康に良いが歯に悪い? 歯医者はストローの使用推奨。

2009/07/06 12:44 Written by Narinari.com編集部

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果汁飲料の中では代表的な存在のオレンジジュース。程よいすっぱさと甘さは、体に爽やかさをもたらし、朝食時や暑い時の冷えた一杯は格別な気分にさせてくれる。また、オレンジジュースに含まれるビタミンCは風邪予防に、カリウムは高血圧に良いとも言われ、抱かれるイメージは健康的なものが多い。しかし、体内に入れば効果的なオレンジジュースも、飲み方には注意が必要かもしれない。米国人研究者が「オレンジジュースの酸は、歯にダメージを与える」とする調査結果を発表。歯科医も「ストローを使うか、食事と一緒に飲むよう」と警告している。

この研究は、米ロチェスター大学医療センター・歯学研究所のレン・ヤンファン教授が行い、専門誌「the Journal of Dentistry」で発表したもの。レン教授は最近、歯医者で行われるLED(発光ダイオード)を用いたホワイトニング治療で、歯に塗られるペーストの成分である過酸化水素が歯のエナメル質に与える影響を調べた。その度合いを、オレンジジュースや食塩水による影響と比較したという。

研究では人間の歯と同じ質の40枚のエナメル盤が用意され、過酸化水素とオレンジジュース、食塩水に浸けるグループに分けた。そして1日5回、20分ずつ投入を5日間繰り返し、実験以外の時間は全て唾液の中で保管。その後、レン教授は実験前後のエナメル盤の表面や硬度について細かく比較、それぞれの影響を調べた。

その結果、過酸化水素と食塩水では目立った変化が見られなかったのに対し、オレンジジュースに浸けられたエナメル盤では硬度が84%も減少したことが判った。過酸化水素も6%の影響が見られたと言うが、「オレンジジュースに比べたら、さほど大したことない」と結論付けている。さらに、オレンジジュースに浸したエナメル盤では、凹凸が増えて侵食が拡大、大きなダメージが見られた。

英紙デイリー・メールでは、オレンジジュースの酸で虫歯の危険性が高まると警告し、レン教授も「我々の研究は、オレンジジュースが歯に重大な侵食をもたらすと証明した」とコメント。さらに「ソーダや果汁飲料など、ほとんどの清涼飲料が酸性」「毎日これらを飲む人には、大きな問題」とし、レン教授は1日2回の歯磨きが重要と説いている。

同時にデイリー・メール紙では、「果汁飲料は心臓病や高血圧の治療薬の効果を薄める」「オレンジやリンゴ、グレープフルーツジュースは、一部の抗生物質や花粉症治療薬の効果を失くす」との研究結果についても紹介。同紙のコメント欄には「子供の時、母にオレンジジュースをよく飲まされた。今、歯医者にエナメルがボロボロと言われている」「これが虫歯の原因になるなんて、思っても見なかった」「子供にはストローを与える」などの声が寄せられている。

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