29年間も骨折していた英国人男性、診断信じるも「苦労してきた」。

2009/06/16 12:47 Written by Narinari.com編集部

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強烈な痛みを伴う骨折の中でも、足の骨が折れた場合は生活に相当な不自由を強いられ、回復にもかなりの時間が必要だ。英国では、昨年2月の試合中に左足の骨が飛び出る開放骨折を負ったサッカー選手がたった1年で回復して話題となったが、同じ英国で29年間も足が折れたままだった男性が注目を浴びている。この男性は医師から治ったと聞かされていたため、足に違和感を覚えながらも、折れたままで約30年間も歩いていたという。

29年間も骨折し続けていたのは、英エセックスに住む49歳の会社員、スティーブ・ウェッブさん。ウェッブさんは20歳の時にオートバイで街灯に衝突し、上記のサッカー選手と同じく左足に開放骨折を負った。細菌による感染症を伴ったため2か月の入院生活を送り、17か月間のギプス装着を余儀なくされることに。さらに、9か月にわたる電磁気治療を受けたが、事故後5年を経ても左足から痛みが消えることはなかったそうだ。驚くことに、その時点でも骨は折れたままだったが、医師は骨折部分に金属プレートを埋め込み、ウェッブさんに完治したことを告げた。

医師の診断を信じたウェッブさんは治ったものと思い込んで普段の生活に戻ったが、実際は折れている足で歩くことはやはり大変だったようで、英紙デイリー・テレグラフに対し「事故以来ずっと足で苦労してきた」と語っている。歩行時には一方の足に体重のおよそ2倍の重力がかかるというが、ウェッブさんは金属プレートで辛うじて骨がつながっていた左足で、約30年間も歩き続けていた。

こうして無理な状態で歩行していたため、昨年に左足の痛みが再発したほか、つま先も負傷してしまったが、そのつま先の手術を受けるために病院を訪れたところ、29年前の骨折部分が治っていないことが判明したそうだ。しかも、再び感染症にかかっていることまで明らかになったという。これにはウェッブさんも驚いたようで、周囲からも「約30年も足が折れてたなんて聞いたことない」と言われているのだとか。

今回は、骨を伸ばす金属フレームを足に装着し、毎日1ミリずつ引っ張ってつなげる「イリザロフ法」で治療を行っており、新しい担当医師は「99%の確率で骨はつながる」と語っている。

本人ですら寝耳に水だったこの出来事は、英国以外でも日本や欧州、アジアのメディアが配信しており、世界から注目を浴びているようだ。

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