70歳男性が溺れかけた2人の少年を救助、自身は浜辺近くで力尽きる。

2009/04/27 14:55 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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私たちが思い描く“ヒーロー”といえば、見るからに凛々しくて若々しい男性をまず連想します。けれど今回のニュースは悲しい顛末ながら、“ヒーロー”は実にいろいろな姿をした人々の中に住んでいる、ということを気付かせてくれる内容といえましょう。

フロリダ州のポンパーノ・ビーチ。ここで先日、海で遊んでいた12歳と9歳の少年2人が急な流れに飲み込まれ、沖に流されそうになってしまいました。そこをガールフレンドの女性と一緒に通りかかったのが、70歳になるチャールズ・シュルーズさん。すぐさま飛び込んで、少年らを浅瀬にまで誘導したそうです。

もうすぐ岸にたどり着くという時に、もう一人、付近を通りかかった男性がおり、この男性も飛び込んで少年を救助。彼らを砂浜に落ち着かせると、海水を飲んで苦しんでいないか、どこかケガをしていないかなどを確認しました。

幸い2人の少年はどこにも問題がなかったのですが、それを確認した後、視線を海岸に戻した男性は息をのみました。なんと、チャールズさんが顔を水に潜らせたまま浮かんでいたのです。急いでチャールズさんを浜辺に引き上げ、人工呼吸を試みます。でも、残念ながらチャールズさんはその場で息を引き取ってしまったのです。

必死に2人の少年を助け出したものの、彼らが助かったと知った直後にホッとして、それまで張りつめていた何かが切れ、死に繋がってしまったのでしょうか。チャールズさんの身体は、その場で動かなくなってしまった……。そのすべてを目撃していたチャールズさんのガールフレンドも、為す術がなく立ち尽くすしかなかったそうです。

しかしチャールズさんの、まさに命がけで行った少年2人に対する救出には、地元関係者は敬意を表さずにはいられないよう。彼に命を救ってもらった少年らには、

「自分の命と引き換えに、犠牲になってくれた人がいた」

ということを、一生覚えていてもらいたいものですね。

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