錦織圭選手の快挙を海外メディアも絶賛「全米OPの歴史作った」。

2008/09/01 23:03 Written by コジマ

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8月25日に開幕した今季テニス4大大会の最後を飾る全米オープン。同30〜31日には男子シングルス3回戦が行われ、世界ランキング1位のラファエル・ナダル選手(スペイン)や同2位のロジャー・フェデラー選手(スイス)が順当に4回戦へ勝ち進んだが、その中で注目されたのが世界ランキング4位のダビド・フェレール選手(スペイン)を破って大金星を挙げた同124位の錦織圭選手(ソニー)だ。

日本人男子選手の4大大会4回戦進出は、1995年にウィンブルドン選手権ベスト8の松岡修造氏以来で、全米オープンでは初のこと。前身の全米選手権を含めても、37年の中野文照氏と山岸二郎氏以来となる71年ぶりとなる。そんな快挙に日本のメディアは大いにわいたが、現地米国のメディアやテニスの本場英国のメディアも、錦織選手の快進撃をこぞって絶賛しているようだ。

今年2月のデルレイビーチ国際選手権で男子プロテニス協会(ATP)ツアー初優勝を達成した錦織選手は、4月に世界ランキング99位に浮上。初の4大大会となった全仏オープンでは予選2回戦で敗退したが、続くアルトワ選手権では3回戦でナダル選手と激闘を繰り広げた。敗れはしたものの、ナダル選手から「いずれトップ10、トップ5に入ってくる選手。あと1年すれば頭角を現すだろう」との賛辞を送られている。

ウィンブルドン選手権、北京五輪はともに1回戦で敗退してしまったが、今大会では1回戦で世界ランキング32位のフアン・モナコ選手(アルゼンチン)を破って4大大会初勝利を挙げると、2回戦も同100位のロコ・カラヌシッチ選手(クロアチア)の途中棄権によって突破した。これらの快進撃によって現地ファンの心もつかみ、「エア・ケイ」という愛称がつけられたほか、日の丸に「NISHIKORI」と書かれたTシャツを着る米国人女性ファンも現れたという。

今回の大金星について、最も大きく報じている海外メディアは米紙ニューヨーク・タイムズだ。同紙はスポーツ面トップで錦織選手を取り上げ、そのプレーについて「流れるような動きはまるで絹のようだった」と表現。「島根からやってきた18歳の日本人が、全米オープンの歴史を作った」と激賞している。

また、AP通信は「98年に全米オープンで4回戦に進出したマラト・サフィン(ロシア)に続き、73年に17歳で当時世界ランキング3位のアーサー・アッシュ(米国)を破ったビョルン・ボルグ(スウェーデン)以来の若さ」とした。

一方、テニス母国である英国のロイター通信は、地元のセリーナ&ビーナス・ウィリアムズ姉妹らが女子シングルスで3回戦を突破する中で、「日本の10代選手錦織がスポットライトを奪い、テニス界にまた衝撃を与えた」と報じている。

9月1日の正午(現地時間)に始まる4回戦では、同じ10代選手である世界ランキング17位のフアンマルティン・デルポトロ選手(アルゼンチン)と対戦する。2人は全米オープン公式サイトでも大きく取り上げられており、試合は多くの注目を浴びそうだ。13歳のときに1度対戦して負けている相手だが、錦織選手には勝算があるという。

また、1回戦で治療時間を要求するなど、両足、腰に痛みが出ながら激戦を繰り広げている錦織選手、ニューヨーク・タイムズ紙の全米オープンブログには、読者から「錦織の発言を信じるならば、彼はケガに苦しんで疲れている。選手は1〜2日休みを取って、万全な状態で試合に臨んでほしい」と気遣うコメントが寄せられている。

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