ニューヨーク市民の22%は「英語が苦手」、行政も多言語対応へ。

2008/07/25 13:12 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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「人種のるつぼ」といえば、いろいろな人種や民族が混合して暮らしている場所のことを指しますが、その例として米国、特にニューヨーク市を1番に思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。最近では「異なる文化はいくら一緒にしても、決して混ざり合うことがなく、溶けて姿がなくなってしまうこともない」と、この「るつぼ」のコンセプトに異議を示し、「サラダボウル」という言葉が使われているそうですが、まあそれはさておき……。

ニューヨーク市には多くの外国人街が存在し、その地区に行くと本当に異国の地に行ったような気になります。特に中華街は大きいし、銀行や学校といった中国人を対象とした施設も充実しているため、彼らはここに住めば英語が出来なくても生活が出来るようです。

ニューヨーク市の人口は約820万人いますが、最近公表された統計結果によると、その内の約22%にあたる180万人が「英語を話すのが苦手」な人々なんだそう。諸外国からの移民だけでなく、中華街のような民族コミュニティ内で成長した二世、三世にも「英語を話すのが苦手」な人が増えていることがうかがえます。

ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏は、

「こういった市民の人々が、もっと簡単に行政参加が出来るよう努力すべき」

と、英語が苦手な人たちに向けたサービスの充実を示唆。近い将来、行政関係の公式文書などを英語以外でも作成する予定なんだそうです。今のところ、スペイン語、中国語、ロシア語、韓国語、イタリア語、フランス語を予定している模様です。

もしこの取り組みが成功したら、ほかの言語も検討される可能性はあります。もし日本語の行政書類が発行されるようになったら、私たちがニューヨーク市に住むのも、今よりずっと気楽になるかもしれませんね。

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