NHK「その時歴史が動いた」の名言ベスト20、維新志士の辞世が1位に。

2007/03/29 23:37 Written by コジマ

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歴史のターニングポイントである「その時」を中心に、関連する人物の行動や心情、そこに至るまでの背景などを解説するNHKの歴史情報番組「その時歴史は動いた」。小さな出来事を大きく取り上げることもままあるけど、NHKならではの質の高い映像やCGで歴史上の重要な転換点をダイナミックに再現するため、とても楽しく見ているのだ。

その「その時歴史は動いた」が、これまで紹介してきた登場人物の言葉のベスト20を決定。過去の映像を再編集し、3月28日に「スペシャル もう一度聞きたい あの人の言葉」として放送したのだ。

このベスト20は、第1回放送の2000年3月29日から現在まで、280回を超える放送の中で取り上げた人物の言葉100(1人物1つ)を制作スタッフが選び、2月中旬〜3月上旬に番組公式サイトに掲載。視聴者から寄せられた2万を超える投票の中から上位20を選んだものなのだ。

選ばれた20の名言は以下のとおり。

1位 高杉晋作
「おもしろきこともなき世をおもしろく…」

2位 諸葛孔明
「学問は静から 才能は学から生まれる 学ぶことで才能は開花する 志がなければ学問の完成はない」

3位 山本五十六
「百年兵を養うはただ平和を守るためである」

4位 坂本竜馬
「日本を今一度せんたくいたし申候」

5位 大和の海軍士官
「日本は進歩ということを軽んじすぎた 私的な潔癖や徳義にこだわって真の進歩を忘れていた 敗れて目覚める それ以外にどうして日本が救われるか 今目覚めずしていつ救われるか 俺たちはその先導になるのだ 日本の新生にさきがけて散る まさに本望じゃないか」

6位 織田信長
「是非に及ばず」

7位 杉原千畝
「私のしたことは外交官としては間違ったことだったかもしれない しかし 私には頼ってきた何千人もの人を見殺しにすることはできなかった 大したことをしたわけではない 当然のことをしただけです」

8位 石田三成
「筑摩江や 芦間に灯すかがり火と ともに消えゆく 我が身なりけり」

9位 武田信玄
「上杉謙信とは和議を結ぶように謙信は男らしい武将であるから 頼ってゆけば若いお前を苦しめるような行いはすまい 私は最後まで謙信に頼るとは言い出せなかった お前は必ず謙信を頼りとするがよい 上杉謙信はそのように評価してよい男である」

10位 白洲次郎
「われわれは戦争に負けたのであって奴隷になったわけではない」

11位 上杉鷹山
「成せば成る 成さねば成らぬ何事も 成らぬは人の成さぬなりけり」

12位 近藤勇
「孤軍たすけ絶えて俘囚(ふしゅう)となる 顧みて君恩(くんおん)をおもえば涙更に流る 義を取り生を捨つるは吾が尊ぶ所 快く受けん電光三尺の剣 只将(ただまさ)に一死君恩に報いん」

13位 柳生宗矩
「こうしようと一筋に思う心こそ人が誰しも抱える病である この病を必ず治そうというこだわりもまた病である 自然体でいること それが剣の道にかなう本当にこの病を治すということなのである」

14位 劉玄徳
「大事をなすにはなによりも人をもって本(もと)となす 今 自分をしたってきてくれている人々をむざむざと見捨てて行けるか」

15位 黒田官兵衛
「我 人に媚びず 富貴(ふうき)を望まず」

16位 藤堂高虎
「寝室を出るときから今日は死ぬ番であると心に決めなさい その覚悟があればものに動ずることがない」

17位 中岡慎太郎
「志とは 目先の貴賤で動かされるようなものではない 今 賤しいと思えるものが明日は貴いかもしれない 君子となるか小人となるかは家柄の中にはない 君 自らの中にあるのだ」

18位 徳川家康
「三河武士は宝を持ちません しかし あえて宝といえば 私に命を預けてくれる五百騎の武士(もののふ)たちでありましょう」

19位 吉田松陰
「死して不朽(ふきゅう)の見込みあらばいつでも死ぬべし 生きて大業(たいぎょう)の見込みあらばいつでも生くべし」

20位 天草四郎
「いま籠城している者たちは来世まで友になる」

歴史ファンに人気の高い、高杉晋作が病床で詠んだ辞世が1位に選ばれたのだ。これは上の句だけで、下の句は体力がなくなって発することができず、看病していた野村望東尼が「すみなすものは心なりけり」と付け、それに対して高杉は「おもしろいのう……」とつぶやいたというエピソードがある。下の句は蛇足だとする意見もあるけれど、ぼくの大好きな高杉の人柄を表した上の句に対して、「おもしろくするのもしないのも、すべて自分次第だよ」という意味の下の句は、高杉に対する尼僧としての回答だったのではないかと思うのだ。

その高杉に、師匠の吉田松陰が江戸の獄中から送った手紙の言葉が19位にランクイン。これも名言だけど、個人的には「身はたとひ武蔵野の野に朽ちぬとも 留め置かまし大和魂」や「親思ふこころに勝る親心 けふの音づれ何ときくらむ」のほうが好きかも。

今回のランキングでは幕末の人物が一番多く選ばれているけど、坂本竜馬に負けるとも劣らない人気者である西郷隆盛が選ばれていないことはちょっと意外だったのだ。「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己れを尽くして人をとがめず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」など、名言がたくさんあるのになあ。

海外からは、三国志(演義)で中心人物だった諸葛孔明と劉備が2位と14位に選ばれている。特に劉備の言葉は、ぼくがこの人物を好きになったきっかけでもある名言。それぞれに、人となりをよく表しているのだ。

こうした名言は、後世に追加されたものだったり作家が創作したものだったりするものもあるけれど、やはり心を動かす言葉であることには間違いない。信長の「是非に及ばず」なんて本当に震えるし。みなさんはどの名言がお好き?

ちなみに、この内容は4月3日にBS-2で再放送されるのだ。本放送を見逃した方はぜひ。

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