マーティン・スコセッシ監督、最新作はストーンズのドキュメンタリー。

2006/10/06 18:26 Written by コジマ

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究極のアンチヒーローを描いた映画「タクシードラバー」などで知られるマーティン・スコセッシ監督。同作以外にも「ドアをノックするのは誰?」や「ニューヨーク・ニューヨーク」、「グッド・フェローズ」、「ケープ・フィアー」、「カジノ」、「ギャング・オブ・ニューヨーク」などの傑作を生み出しているけど、一度もオスカーを獲得していないため「無冠の名監督」なんて呼ばれているのはご存じのとおり。

2005年にはボブ・ディランを主役にしたロック・ドキュメンタリー「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」を発表したスコセッシ監督だけど、最新作もロック・ドキュメンタリーを撮影するという。その題材は、なんとローリング・ストーンズなのだ。なんでも、10月29〜31日にニューヨークのビーコン・シアターで行われるライブを撮影するそうで、英音楽誌NMEによると、今作がストーンズの全キャリアを包括したものになるのか、それとも今回の「ア・ビガー・バン・ツアー」のみを描くのかは明確ではないとのこと。

ストーンズは、休暇中にキース・リチャーズがヤシの木から転落して脳手術を受けたことによってワールド・ツアーが中断されていたのだけど、欧州ツアーが無事に終わり、今ツアー2度目の北米ツアーをスタートさせた。この転落事故に関してキースは、米音楽誌ローリング・ストーンのインタビューで振り返っているのだ。また、欧州ツアーで前座を務めたカサビアンのボーカル、トム・ミーガンが「彼らがプレイするのはこれが最後だ。もう終わりにしようとしてんだよ。時間が来たってわけだ。信じられないけど、彼らはもうプレイしないんだ」(BARKSより)と、引退をほのめかすようなコメントをしたのだけど、この先もツアーを行うことを正式に発表している。

そんなストーンズはこれまでに、クスリでボロボロになったブライアン・ジョーンズの姿が収録されている「ワン・プラス・ワン」(ジャン=リュック・ゴダール監督)や、
“オルタモントの悲劇”で有名な「ギミー・シェルター」(デビッド・メイズルス監督ら)、81年の全米ツアーを描いた「ザ・ローリング・ストーンズ」(ハル・アシュビー監督)、そしてキースがステージ上がった客をギター殴る映像が印象的な「25×5」(ナイジェル・フィンチ監督)などのドキュメンタリー映画が発表されている。本人たちは出演してなかったけど、先日、日本でも公開された「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」(スティーブン・ウーリー監督)も良かったなあ。

89年までのストーンズの歴史を総括した「25×5」が廃盤になっているため、今回のスコセッシ監督の作品が、新たなストーンズ史をつづる可能性もある。そうなるにせよ、「ザ・ローリング・ストーンズ」のように1公演だけのドキュメンタリーになるにせよ、「ノー・ディレクション・ホーム」が大好評だっただけに、スコセッシ監督が描くストーンズに期待してしまうのだ。

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