ニューヨークに開催場所を戻して行われたMTVビデオ・ミュージック・アワード（VMA）2006の表彰式。今年の目玉はなんといっても最多7部門にノミネートされたレッド・ホット・チリ・ペッパーズとシャキーラなのだ。しかし昨年のグリーン・デイのようにはいかず、レッチリは最優秀アート演出賞、シャキーラは最優秀振り付け賞のみの受賞となった。代わって最優秀ビデオ賞に輝いたのは、パニック！アット・ザ・ディスコだった。

今年のVMAでは最多7部門にノミネートされたレッチリに、大きな期待がかかっていた。なにせ、あの「ダニー・カリフォルニア」のプロモーション・ビデオ（PV）といったら、プレスリーからビートルズ、ニルヴァーナまで、メンバー全員が歴代ミュージシャンのコスプレで登場しているのだ。初めて見たときは感動すらした。クリア・チャンネル・ニュース・ネットワークの調査によると、主要部門である最優秀ビデオ部門（VIDEO OF THE YEAR）の期待値としてレッチリが29％、同じく最多7部門にノミネートされたシャキーラが26％、クリス・ブラウンが24％、パニック！アット・ザ・ディスコが10％、クリスティーナ・アギレラが8％、マドンナが3％だったのだ。

ところが、実際には、この10％の期待しか集めなかったパニック！アット・ザ・ディスコが受賞した。「I Write Sins not Tragedies」のPVを見たけど、「ダニー・カリフォルニア」のほうが個人的には好きだなあ。なのに、レッチリはたった最優秀アート演出賞だけの受賞、シャキーラも最優秀振り付け賞のみの受賞となったのだ。

このほかの主要部門では、最優秀男性賞と最優秀女性賞はジェイムス・ブラントとケリー・クラークソンが、最優秀グループ賞はオール・アメリカン・リジェクションが受賞している。セレブをこき下ろしたPVが話題になったピンクは、最優秀ポップ賞を受賞している。

また、恒例のライブでは、最優秀ビデオ賞を受賞したパニック！アット・ザ・ディスコをはじめ、シャキーラ、ファーギー、ビヨンセ、ジャスティン・ティンバーレイク、クリティーナ・アギレラ、T.I..、ザ・キラーズ、オール・アメリカン・リジェクツ、リュダクリスのほか、今年のフジロックでその実力を見せつけたジャック・ホワイトのサイドプロジェクト、ザ・ラカンターズも出演したのだ。ライブや授賞式のもようは米MTVの公式サイトで視聴できるので、興味のある人はぜひ。シャキーラのステージはかっちょよかったなあ。ファーギーもよかったし、ホント、MTV VMAが行われる度に米国に住みたくなっちゃうのだ。


☆MTV VMA 2006受賞リスト

最優秀ビデオ賞　「I Write Sins not Tragedies」　パニック!アット・ザ・ディスコ
最優秀男性賞　「You're Beautiful」　ジェイムス・ブラント
最優秀女性賞　「Because of You」　ケリー・クラークソン
最優秀グループ賞　「Move Along」　オール・アメリカン・リジェクツ
最優秀ロック賞　「Miss Murder」　A.F.I.
最優秀R＆B賞　「Check On It (Pink Panther)」　ビヨンセ feat. Slim Thug and Bun B
最優秀ダンス賞　「Buttons」　プッシーキャット・ドールズ feat. スヌープ・ドッグ
最優秀ラップ賞　「Ridin」　Chamillionaire feat. Krayzie Bone
最優秀ヒップホップ賞　「My Humps」　ブラック・アイド・ピーズ
最優秀ポップ賞　「Stupid Girls」　ピンク
最優秀新人賞　「Bat Country」　アヴェンジド・セヴンフォールド
視聴者賞　「Dance, Dance」　フォール・アウト・ボーイ
最優秀ゲームサントラ賞　Marc Ecko's Getting Up
最優秀ビデオゲームスコア賞　Elder Scrolls IV: Oblivion
着信メロディー賞　「Where'd You Go」　フォート・マイナー
最優秀編集賞　「Crazy」　ナールズ・バークレイ
最優秀撮影技術賞　「You're Beautiful」　ジェイムス・ブラント
最優秀監督賞　「Crazy」　ナールズ・バークレイ
最優秀振り付け賞　「Hips Don't Lie」　シャキーラ feat．ワイクリフ・ジョン
最優秀アート演出賞　「Dani California」　レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
最優秀特殊効果賞　「We Run This」　ミッシー・エリオット