CM曲で大ブレイク、BONNIE PINKインタビュー。

2006/08/14 12:05 Written by コジマ

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最近でもBENNIE Kがコカ・コーラCMをきかっけに大ブレイクするなど、音楽のCMタイアップとヒットは密接に結び付いている。資生堂「ANESSA」のCMで使用されているBONNIE PINKの「A Perfect Sky」もその1つ。エビちゃんこと蛯原友里の大胆な映像も手伝って、オリコン
の調査
によると、テレビCMタイアップ曲好感度ランキングで4位を獲得、緊急CD化されたことも人気を裏付けているのだ。7月にリリースしたベスト・アルバム『Every Single Day』もオリコンチャート初登場2位を記録するなど、デビュー11年目に大ブレイクしたBONNIE PINKに、サンケイスポーツがインタビューを行っているのだ。

大ブレイクと言っても、BONNIE PINKはキャリア11年のベテラン。これまでもシングル「Heaven's Kitchen」が30万枚以上売り上げるなど、数々のヒットを飛ばしてきた実績あるミュージシャンなのだ。彼女の魅力は、なんといっても洋楽を意識した曲作りで、特に2作目からカーディガンズをプロデュースし日本にスウェディッシュ・ポップを流行させたトーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えたことは話題になった。しかし、デビューから4年目の1998年、アルバム『evil and flowers』の発表後、休養と勉強のため渡米し、活動休止に。

「ただ休みたかった。それまでずっと仕事で自分の時間も持てなく正直疲れていた。リリースのタイミングが早く、次の作品を作れって言われても、私の体の中には何もない状態。音楽のことが嫌いになりかけていた」

こうしたレコード会社が要求する“無理な注文”へのアンチテーゼとして渡米した翌年、レコード会社を移籍しシングル「Daisy」を発表するものの、アルバムは出さずじまいだった。しかし、

「ニューヨーカーは主張が激しく、そういう人たちに励まされたような気がする。私も必要なことは自分から言っていかないといけない気持ちになれた」

と語るように、滞在先のニューヨークで多くの刺激を受け、創作意欲が復活したようなのだ。00年に移籍後第1弾アルバムとなる『Let go』を発表。翌年からコンスタントにアルバムをリリースしていることを考えると(02年はリミックス版のみ)、この渡米は重要な意味があったのではないだろうか。

そして今年、「ANESSA」のCM曲にして、同CMに出演していた蛯原友里の後ろ姿をジャケットに使用した「A Perfect Sky」でオリコンシングルチャート初登場5位という自己最高位を記録。7月26日に発表したベスト・アルバム『Every Single Day』が、オリコンアルバムチャート初登場2位を記録するなど、文字通り大ブレイクした。最近、テレビでもラジオでも街角でもひっきりなしにかかっている「A Perfect Sky」のヒットを、自身は

「私の最近の曲は、ポップな作りのものが多いけど、そのポップ感とリスナーとの感覚がこの曲で結びついたような気がする」

と分析している。街の声も「曲がいい。誰が歌っているのかスゴく気になった。BONNIE PINKさん自体は以前から知っていたが、曲調が全然違ってビックリした」(東京都/24歳)「とてもインパクトのある曲。CDの発売にあわせて、最近フルで聴く事ができるようになり、ますます耳について離れない」(埼玉県/42歳)(ともにオリコンより)と、非常に好意的なのだ。

BONNIE PINKのタイアップの歴史を振り返ってみると、先述の「Heaven's Kitchen」が味の素「ピュアセレクト」のCMに使用されたのを皮切りに、フジテレビ系アニメ「るろうに剣心 〜明治剣客浪漫譚〜」エンディング曲(「It's gonna rain!」)、昭和産業「太陽のリストランテパスタ」CM曲(「Daisy」)、DDIポケット「feel H"」CM曲(「Take Me In」)、テレビ朝日系バラエティー「人気者でいこう!」エンディング曲(「Thinking of You」)、フジテレビ系アニメ「GANTZ」のエンディング曲(「Last Kiss」)、サントリー「カロリ」CM曲(「I'm in the mood for dancing」)、セガトイズ「サウンドキャリア」CM曲(「You Got Me Good」)、映画「ベルベット・レイン」イメージ曲(「Believe」)、映画「嫌われ松子の一生」主題歌(「LOVE IS BUBBLE」)とかなり多い。

しかし、今回の「A Perfect Sky」はCMのために書き下ろされた曲で、その反響から急遽発売が決定したもの(それに合わせて曲も完成させた)。これまでのタイアップ曲とは異質なのだ。また、ジャケットデザインやポスターもCMと同じ構成になっているため、レコード屋さんなどですぐに「あのCM曲だ」と分かったこともヒットの要因なのではないだろうか。もちろん、曲が良いというのが一番の理由だろうけど。

シングル、ベスト・アルバムの大成功だけでなく、今年は初の単行本「My life's in the bag〜出会いと思い出をカバンに詰めて〜」が発売され、映画「嫌われ松子の一生」(中島哲也監督)の風俗嬢役で女優デビューも果たすなど、今最もノっているミュージシャンであるBONNIE PINK。今後のついては、

「着の身着のままの性格だから、すごい頻度でリリースするかもしれないし、また休むかもしれない。でも、いいものを作りたい気持ちは変わらない」

としている。05年に行われたエキサイトミュージックのインタビューでも、「家では自分のアルバムをほとんど聴かない」「歌詞もまったく覚えていない」というほどマイペースな彼女。そんなスタイルは、トップミュージシャンになった現在も変わらないようなのだ。それにしても、33歳だとは驚いた。よく考えてみると、ぼくが20歳そこそこの頃から活躍してるんだもんなあ。でも33歳には見えないのだ。

8月30日から全国ツアー「Under The Perfect Sky」を開始し、同20日に東京・国立代々木競技場第一体育館で行われる「J-WAVE LIVE 2000+6」への出演が決定。彼女の生の歌声を聴きたい人はぜひ。オリジナル・アルバムももうすぐ発表かな。

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