ついに日本上陸、音楽系SNS「Last.fm」で音楽生活が変わる?

2006/07/12 23:27 Written by コジマ

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日本でも流行している「mixi」や「GREE」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。最近はぼくの周りでも加入している人が多く、すぐ近くにいるのにSNSでやり取りしている人たちも見かけるのだ。今年は2月にヤフー、3月に楽天と国内大手ポータルが相次いでSNS市場に参戦しており、韓国最大手の「Cyworld」や米最大手の「myspace」が日本進出を狙うなど、かなり熱い状況になっている。そんななか、異彩を放っているのが英国発の「Last.fm」。音楽を絡めたSNSとして欧米を中心に人気を博しており、7月中旬にエキサイトと提携して日本進出を果たす。SNSとしての機能だけでなく、ネットラジオも聴ける「Last.fm」の出現によって音楽生活は変わるのだろうか。

音楽系SNS「Last.fm」の機能は、おもに2つに分かれている。1つはSNSとしての機能で、基本的には既存のSNSと変わらないのだけれど、1点、自分の好きな音楽やよく聴いている音楽を登録し、それを介して登録ユーザーとコミュニケーションが取れるのだ。どのように登録されるのかというと、まず、ユーザー登録を行ったあと「Last.fm」が提供する「Audioscrobbler」というプラグインをインストールする。これはWindows Media PlayerやiTunes、Winampに対応したものが用意されているので、普段聴いているソフト用のものを選ぶ。あとはいつも通り音楽を聴くだけ。自動的に「Last.fm」にアップロードしてくれるのだ。この辺は現在「mixi」が提供している「mixiミュージック」や「mixi station」などと同じなのだ。しかし、「Last.fm」独自の機能として、再生履歴を分析し、同じ音楽の趣味の人を「Neighbor」として登録してくれる。音楽の趣味が似ている友人がすぐに探せるのだ。

もう1つが、ネットラジオ。このラジオが優れもので、楽曲をスキップできたり、聴いてる曲を「好きな音楽」「嫌いな音楽」として再生している「Last.fm Player」にあるボタンを押すだけで登録でき、自分の趣味に合わったものを再生してくれるのだ。広告を聴かなくていい(サイトに表示される)点も優れているし、現在日本でネットラジオサービスを行っているヤフーやリアルネットワークスにはない機能なのだ。7月中旬のサービス開始にはこのネットラジオ機能は付加しないようだけど、英語版でも邦楽がたくさん聴けるので、興味ある人はぜひ。めっきりCDを買わなくなった人にとって、新たな音楽を開拓するチャンスなのだ。

このほか、自分で検索して試聴できる機能や、200万人以上のユーザーが再生した楽曲のチャートが表示できるなど、本当に音楽に特化したSNSなのだ。ここで気になるのが、「Last.fm」という会社の概要や収益源。CNET Japanに最高執行責任者(COO)のマーティン・スティクセル氏のインタビューが掲載されているので、ちょっとのぞいてみると、
・「Last.fm」という名前の由来は、「あなたに必要な最後のFM局」という意味
・3人で設立し、現在スタッフは20人
・収益源は、CDなどのアフィリエイト、有料サービス*の提供、バナー広告
・収支は今のところサイトと同じ色(赤字)
*有料サービス……月額3ドル(日本では350円)で、完全に自分だけのラジオステーションが作れるほか、サイトに広告が表示されない、ベータプログラムに参加できるなどの特典が付加される

今後、追加を予定しているものとして、コンサートのリコメンド機能を挙げている。新しい街を訪れたときに「Last.fm」がその街でオススメのコンサートを紹介するというもので、これはめちゃくちゃ欲しい機能なのだ。外国を訪れた際にライブが観られるなんていいなあ。

こうして色々と革新的な内容を含んだSNS、音楽好きにとって利用しない手はないのだ。スティクセルCOOが「音楽は、言葉の壁を越えて通じる『国際言語』」と語っているように、音楽というフィルターを通せばたとえ英語力がつたなくても友達ができる可能性が高い。日本版のリリースが待ちきれない人は、コチラの英語版をどうぞ。

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