今年も米アカデミー賞の季節がやってまいりました。この映画界最大の祭典を運営する｢映画芸術科学アカデミー｣から、各部門の候補が昨日発表され、それについてはナリナリでも、コ○助が最新のコラムでお伝えてしております。

ところでアメリカではアカデミー賞とほぼ同時期に開催される、もうひとつの映画祭があるのをご存知ですか？ゴールデン･グローブ賞は、アカデミー賞の1ヵ月も前ですが、なんとノミネートが発表されるのも、授賞式が開催されるのも、アカデミー賞の1日前という時期的にもシンクロしたイベントがあるのです。

ゴールデン･ラズベリー（別名：ラジー −RAZZIE−）賞がそれです。ただしアカデミーやゴールデン･グローブがその年の最優秀の作品や俳優を称えるのに対し、ラジー賞はまったくその逆。前評判だけは良くて、実際に公開されたら最低だったといった映画に賞が与えられるのです。もちろんこれは半分（ほとんどかも……）ジョークの映画祭なのですが、近年は大物俳優などもノミネートされ、話題性と刺激性が高くなっているとか。受賞者には金色のラズベリーをかたどったトロフィーが授与されます。

毎年オスカー･ナイトの前夜祭としても有名なラジー賞。今年も｢アレキサンダー｣、｢キャットウーマン｣など、オスカーを手にしたことのある監督や女優の作品が候補にあがったり、｢華氏911｣で主役を演じた（?）ブッシュ大統領がワースト主演男優としてノミネートされたりと、驚きのリストアップです。それでは今回で25年目を向かえる、このラジー賞の今年の候補をざっと見てみましょう。

【ワースト作品賞】
｢アレキサンダー｣（監督：オリバー･ストーン、主役：コリン･フェレル）
｢キャットウーマン｣（監督：ピトフ、主役：ハリー･ベリー）
｢Superbabies: Baby Geniuses 2（原題）｣（監督：ボブ･クラーク、主役：クリストファー・ロイド）
｢Surviving Christmas（原題）｣（監督：マイク･ミッチェル、主役：ベン･アフレック）
｢White Chicks（原題）｣（監督：キーネン･I･ウェイアンズ、主役：ショーン･ウェイアンズ）

【ワースト主演男優賞】
ベン･アフレック（｢世界で一番パパが好き!｣｢Surviving Christmas｣）
ジョージ･W･ブッシュ（｢華氏911｣）
ヴィン･ディーゼル（｢リディック｣）
コリン･ファレル（｢アレキサンダー｣）
ベン･スティラー（｢スタスキー＆ハッチ｣｢Envy｣他）

【ワースト主演女優賞】
ハリー･ベリー（｢キャットウーマン｣）
ヒラリー･ダフ（｢A Cinderella Story｣）
アンジェリーナ･ジョリー（｢アレキサンダー｣｢テイキング･ライブス｣）
オルセン姉妹（｢ニューヨーク･ミニット｣）
ショーン＆マーロン･ウェイアンズ｢姉妹｣（｢White Chicks｣）

【ワースト助演男優賞】
ヴァル･キルマー（｢アレキサンダー｣）
アーノルド･シュワルツェネッガー（｢80ディズ｣）
ドナルド･ラムズフェルド（｢華氏911｣）
ジョン･ヴォイド（｢Superbabies: Baby Geniuses 2｣）
ランベール･ウィルソン（｢キャットウーマン｣）

【ワースト助演女優賞】
カルメン･エレクトラ（｢スタスキー＆ハッチ｣）
ジェニファー･ロペス（｢世界で一番パパが好き!｣）
コンドリーザ･ライス（｢華氏911｣）
ブリトニー･スピアーズ（｢華氏911｣）
シャロン･ストーン（｢キャットウーマン｣）

【ワースト監督賞】
ボブ･クラーク（｢Superbabies: Baby Geniuses 2｣）
レニー･ハーリン＆ポール･シュレーダー（｢エクソシスト ビギニング｣）
ピトフ（｢キャットウーマン｣）
オリバー･ストーン（｢アレキサンダー｣）
キーネン･I･ウェイアンズ（｢White Chicks｣）

この他にも｢ワースト･スクリーン･カップル賞｣なんてのもあり、そこにはジェニファー･ロペスとベン･アフレック、ブッシュ大統領とペットの山羊（!？）といった、私生活ではすでに別れた2人や、生物学的な壁を超えた異色のカップル（で良いのかどうかわかりませんが）もノミネートされています。

それにしても、ショーンとマーロンのウェイアンズ兄弟が｢女優｣として候補にあがっているなんて笑えますね。まあこれは映画の中で、彼らが女装しているからなんでしょうけど……。オルセン姉妹とダブル姉妹ノミネートで、ちょっと花を添えていますな（爆）。

ラジーの授賞式は2月26日の夜から。ある意味アカデミー賞よりも面白くて、見逃せない映画祭かもしれませんね。ウォール真木もぜったいチェックいたします。

……しかしこの授賞式にノミネートされた人達は、ちゃんと出席するのでしょうか（笑）？